シキ180形式(2代目)80t積み低床式(A梁)大物車
諸元
全長 26070mm 全幅 2600mm 全高 1600mm 台車 2-3複軸式ボギー台車
ロシキ180
国鉄では様々な特大貨物を輸送できるように、多くの形式を製作してきました。昭和35年に国鉄では最大級となる100t積み低床式大物車を製作しましたが、大きすぎて使い勝手が悪い事から、昭和40年に本形式が1両製作されました。
使い勝手を良くするために低床面を長くしているのが特徴です。運転最高速度は空車時、積載時ともに65km/h以下となっているため、車体、梁に黄色の帯が巻かれ、形式記号の前に低速車を示す「ロ」が付けられています。
本形式は国鉄最後の大物車の形式で、現在も活躍する機会は少ないものの、籍を置いています。
シキ550形式50t積み低床式(A梁)大物車
諸元
全長 16680mm 全幅 2500mm 全高 2050mm 台車 TR78形式
昭和36年より12両がつくられた50t積みの低床式大物車で、老朽化の進んでいた同クラスの大物車を置き換えるために登場しました。一見すると弓形のシンプルなデザインですが、車体幅とレール面上の高さの両立を図る必要から、荷台上部が外側に張り出しているほか、台車上から荷台部分にかけて外側に膨らんでいます。また、応力集中を避けるために梁と床部の接合が円弧になっているなど複雑な設計が行われていることがわかります。台車はタキ50000形式で開発された3軸ボギー台車であるTR78形式と台車ファンも必見の一形式となっています。
低速車である「ロ」の記号が付いており、車体側面に黄色の帯が巻かれています。使い勝手がよく、3両が現在も活躍しています。
シキ160形式130t積み吊掛式(B梁)私有大物車
諸元
全長 23756mm 全幅 2720mm 全高 3372mm 台車 NC-2形式
ロシキ160
昭和30年に1両が製作された大物車で、変圧器を輸送する目的で製作されました。吊掛け式(シュナーベル式)で、積載する変圧器の容器が車体の一部として構成され、両側の梁で支えます。荷受け梁はトラス構造で外観の特徴ともなっています。
登場時は95t積みでしたが、昭和36年に性能向上のために改造が行われ、130t積みとなっています。昭和43年からは運転最高速度65km/hの低速車に指定され、識別のため「ロ」の記号が形式につけられ、黄色の帯が巻かれています。
平成14年に廃車となり、その後平成19年に三重県いなべ市にある貨物鉄道博物館に静態保存されています。
シキ280形式165t/125t積み吊掛け式(B梁)私有大物車
諸元
全長 26900mm(B1)、26776mm(B2) 全幅 2470mm(B1)、2720mm(B2) 全高 3359mm(B1)、3350mm(B2) 台車 NC-3形式
ロシキ280(B2)
昭和33年に1両が製作された大物車で、富士電機(後の日本AEパワーシステムズ)で所有するシキ160形式の増備車として登場しました。
本形式が登場する以前は多軸台車と呼ばれる1つの台車に複数の車軸を配置する方法が採られ、積載荷重が大きくなると軸が増えていきました。シキ300形式では1つの台車に6軸までに至りました。この1台車に車軸を増やす方法では、曲線部を通過する際に1軸に負担が集中し、脱線や軌道破壊の原因となるため、本形式で初めて、軸ではなく台車を増やす方法が採用され、以後に登場する大物車の基本となりました。
この形式ではもう一つ大物車の設計にかかわる事がありました。登場時、初仕事の帰り道に脱線事故を起こしてしまいました。原因は車体と台車をつなぐ心皿の脱出(台車が心皿から抜けてしまう事。)というもので、吊掛け式の大物車が急ブレーキをかけると100t近い衝撃が加わり、心皿脱出が起こる事がわかりました。応急処置として運転最高速度を低くし、本格的な対策として心皿の改造と死重の搭載が行われました。これは本形式のみだけではなく、他の吊掛け式大物車にも行われ、以降製作される大物車にも影響を与えています。
この改造で荷重は125t積みに変更されました。昭和35年に新しい梁が製作され、165t積みとしても運用が出来るようになり、新しい165t積みの梁をB1、もともとの125t積みの梁をB2梁となりました。(写真はB2梁の様子。)
平成17年に廃車となりましたが、所有する日本AEパワーシステムズの工場内で試験用として保管されているそうです。
シキ290形式80tA梁、170tB梁、115tC梁私有大物車
諸元
A梁 全長 33420mm 全幅 2100mm 全高 2480mm 台車 NC-3B形式
B梁 全長 26930mm 全幅 2606mm 全高 3359mm 台車 NC-3B形式
C梁 全長 33220mm 全幅 2700mm 全高 3445mm 台車 NC-3B形式
ロシキ291
昭和35年、昭和39年に1両ずつ、計2両製作された大物車で、シキ280形式を改良した形式です。昭和35年に登場したシキ290は低床式(A梁)、吊掛け式(B梁)、分割落とし込み式(C梁)の3種類のいずれかで、3種類を装備できるのは本形式と国鉄所有のシキ120形式のみとなります。後に製作されたシキ291は分割落とし込み式のみとなっています。台車は2軸ボギー台車を8つ履く(16軸)構成で、低床式大物車では唯一の形式となっています。
平成16年に形式消滅しています。
シキ610形式240t又は235t積み吊掛け式私有長物車
諸元
全長 32910mm 全幅 2770mm 全高 3478mm 台車 NC-4A形式
シキ613
昭和37年から5両製作された大型変圧器を輸送するための大物車です。シキ600形式の改良形式であり、外観はほぼ同じとなっています。B梁の違いで240t又は235tまでの貨物を積載出来ます。巨大な大物車ですが、運転最高速度は空車時75km/h、積車時は45km/hと高性能です。
シキ610は東芝(東芝物流)の所有ですが、シキ611以降は日本通運の所有です。これは大物車の使用頻度が少ないため、各電機メーカーで所有するよりも、共通で使用できるようにしたものとなっています。
現在はシキ611のみが活躍をしています。
シキ800形式155t・160t積みB梁、140tC梁私有大物車
諸元
全長 25800mm(B梁)、32670mm(C梁) 全幅 2800mm 全高 3465mm(B梁)、3270mm(C梁) 台車 NC-3C形式
シキ801B1(上)、シキ800B2(下)
昭和48年、49年に1両ずつ計2両が製作された変圧器輸送用の大物車です。大物車は電機メーカー各社が所有し運用をしていましたが、運用頻度が低いため各社で共通利用できるように出来るよう汎用大物車として本形式が考えられました。シキ610形式でも同様の事が行われましたが、ヒンジ(蝶番)の形状が異なる会社があり、別の荷受け梁が用意されました。本形式では、継手を用意し、側梁を可動式として異なる寸法やヒンジの形状に対応できるようにしました。
シキ800はB2梁、C梁を装備でき、シキ801ではB1梁、B2梁、B2梁を用いてC梁(シキ801B2C)と形態を変える事が可能となっています。
現在、シキ801の1両のみが活躍をしています。
シキ800形式10番代吊掛け式私有大物車
諸元
全長 26800mm 全幅2990mm 全高3310mm 台車 TR213F形式
シキ810
平成8年に登場した車輛です。前作よりも期間が長く空いており、その際の改良を行ったため10番代とされました。台車はTR213F形式を装備し、大物車では初めてのCSD方式(応荷重装置付き)となりました。車体の基本構造は従来車と同じです。塗装は明るい青26号(スカイブルー(JR四国のコーポレートカラーと同じ))を採用しました。活躍期間は短く、平成21年にシキ801に台車、台枠などの部品が供出され廃車となっています。
シキ1000形式55t積み分割低床式大物車
諸元
全長 24400mm 全幅 2445mm 全高 2581mm 台車 NC-5 2-2軸複式ボギー
シキ1000
昭和50年に3両が製作された大物車です。大物車は積荷や車体構造などの理由により、運転最高速度65km/h以下、通常の貨物列車への併結は不可。といった制約が多くありました。これらを改善し、運用効率を良くするために走行性能の向上を中心に開発されました。運転最高速度は75km/hまで向上し、連結位置は機関車の次になる(積車時)などちょっとした制約はありますが、通常の貨物列車にも連結できるようになりました。この他、荷役作業を効率化するために、分割低床式を初めて採用しています。
シキ1000形式は日本通運が所有する私有貨車でしたが、昭和62年に除籍されました。平成2年よりJR貨物が所有する事になり車籍が復活。3両全てが活躍をしています。
シム1形式15t積み低床式、平床式私有大物車
諸元
全長 16380mm 全幅2460mm 全高1984mm 台車 TR41C形式、TR228形式など
シム1001
鉄道車輛会社が製造した鉄道車輛を輸送する事を目的として大正9年に登場し、昭和62年まで製作された小型の大物車で、34両が製作されました。68年にも及ぶ期間は、私有貨車の同一形式製造期間の最長記録です。この他にも私有貨車においての初めての大物車であり、初めてボギー台車を採用した事でも知られています。
シム1~10は登場時(大正9年~14年)はホシウ70形式で、昭和3年の改番によりシム1形式となりました。その後、モノレール輸送用などを目的にした車輛なども加わり、シム11~19、シム101~117が製作されます。シム116、117は名義上、新製車ですがチキ7000形式の改造車。シム1001、1002は平成3年にシム101、102を新幹線車輛輸送用に改造しました。
現存車はシム110~117、シム1001、1002が活躍しており、いずれも新幹線車輛輸送用の控車で、新幹線車輛を連結するための連結器ユニットなどが装備されています。














