セキ6000形式(セキ6185・セキ7342)

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昭和43年に登場した石炭車で、セキ3000形式を改造したものです。外観上はほぼ同じです。この形式が登場するきっかけとなったのが脱線事故防止対策として、石炭車の積載時の運転最高速度を65km/hから55km/hに引き下げるというものでした。これでは、ダイヤ作成上の障害となってしまうため、列車密度がひっ迫している山陽本線沿線で活躍するセキ3000形式に用いられている台車(TR41形式)の枕ばねを柔らかくして、レールの追従性を良くする改造が行われ、本形式が登場しました。
その後、山陽本線系統で運用するセキ3000形式全てに実施され、北海道でも脱線事故があるためセキ3000形式の改造が行われました。
運転最高速度は65km/hで、他の貨車(75km/h)と識別するため車体には黄色い帯が巻かれ、形式の前に「ろくじゅうご:65」を意味する「ロ」の記号が添えられています。北海道地区で使用された車輛には加えて「道外禁止」の文字も表示されました。
平成10年に形式消滅しています。

セキ8000形式(セキ8016)

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従来の石炭車は運転最高速度が積載時に55km/h(セキ6000形式は65km/h)と低速であり、高重心及び軸距離の短さから脱線事故が多く問題となっていました。また、老朽化も進んでおり、セキ3000形式及びセキ6000形式の置換え及び走行性能改善を目的に昭和56年に登場したのがこの30t積み石炭車セキ8000形式です。
台所事情により、当時余剰となっていたク5000形式の台車を重貨物に対応する改造を行い、新製した車体と組み合わせた改造車となっています。在来車よりも車体長は長く設計され、運転最高速度を積空ともに75km/hとなっています。
石炭産業衰退直前に登場した最後の石炭車の形式で、石炭輸送が終了すると石灰石輸送で活躍。平成10年に形式消滅しました。