私有コンテナのページ(新制度 無蓋コンテナUM20A~UM30S形式)

昭和62年、国鉄からJR貨物へ移行し、コンテナの形式は新しい記号や付番に変わりました。旧制度では非危険品と危険品の区分でしたが、新制度では内容積(無蓋コンテナは床面積)による形式になり、続くアルファベットや個体番号に大きさなどの仕様を表記する方法となっています。

UM20A形式30ft無蓋コンテナ

30000番代

   
 UM20A-30004(2-4位側):JR貨物リース  UM20A-30006(3位側):JR貨物リース

コキ71形式に積載される専用のコンテナです。30001~30009番、30010~30017番の2つのグループがあり、前者はJR貨物リース、後者はジェイアールエフ・エンジニアリングが所有していました。30001~30004番はコキ71形式試作車と一緒に製作され、この時はJR貨物M20形式コンテナとして登録され、その後転籍をしました。この4個は自動車を最大4台まで積載が可能で、以降は5台まで積載が可能となっており、構造が異なっていました。この他に12ftコンテナを2個積載(往路は自動車を、復路はコンテナ)可能の構造です。
通常は貨車の中に格納されており、見る機会はありませんでしたが、運用が終了した後、とある駅で長らく放置され見ることが出来ました。現在は廃番号となっています。

   
 UM20A-30038(2位側):JR東日本  UM20A-30040(2位側):JR東日本

エレベーターやエスカレーターを輸送するための特殊コンテナで、30038~30040番の3個が製作されました。JR東日本のコーポレートカラーである緑色に灰色の丸屋根が設置されています。側面は側板と呼べるものはなく、出し入れをする2-4位側には何もないのが特徴です。全高が3000mmと規格外であり、ハローマークの標記が付いています。3個の小世帯ですが、「コキ50000積載禁止」の表記が30040番のみ白地に赤文字のステッカーとなっています。

38000番代

   
 UM20A-38009(3位側):朝日工業
鋼材専用
 UM20A-38010(2位側):朝日工業
鋼材専用

38009~38011番の3個が製作されました。総重量20.0tの大型コンテナで、同社の所有するUM13A形式8000番代の拡大形式に相当します。

UM21A形式30ft無蓋コンテナ

   
 UM21A-38004(1位側):神鋼建材工業
ガードレール専用
 UM21A-38019(3位側):トピー工業
鉄鋼製品専用

UM21A-38004:モーダルシフトにより登場しました。同社の製作するガードレールを輸送しています。総重量20.0tのため、ハローマークの標記「G」が付いています。
UM21A-38019:建築や土木分野で使われる形鋼などの製品を輸送しているようです。

UM21A-38016(2位側):アイ・テック
鉄鋼製品専用

トピー工業と同じく、鉄鋼製品を輸送するコンテナで、幾つかの会社がモーダルシフトで参加しているそうです。

UM27A形式40ft無蓋コンテナ

   
 UM27A-48001(2位側):JFEスチール
鉄鋼製品専用
 UM27A-48002(3位側):JFEスチール
鉄鋼製品専用

水島臨海通運が所有し、JFEスチールが借受会社となっています。平成27年に登場した私有コンテナでは初めての40ft級コンテナです。40000番代という特認番代が与えられています。48001番は試作コンテナで、海上コンテナの無蓋コンテナを参考に製作。40ft級の大型コンテナの自動車での輸送はトレーラーになります。牽引する車を「トラクター」、コンテナを載せる車を「シャーシー」と呼びます。シャーシーは自走出来ませんから、トラクターと連結をします。連結するとその部分に盛り上がりができ、この盛り上がりをコンテナの床面で逃がさないと不安定な状態となってしまいます。海上コンテナはこの盛り上がりを収納する構造を備え付ける事が決まっており、この構造を「グースネックトンネル」と言います。48001番では前位側に設けました。片方にしかないため、積載する際に前後方向を明確にするため、「前」、「後」という表記がされています。
48002~48009番は48001番では1つしかなかったグースネックトンネルを前後に設け、前後方向の指定を解消させる改良が施されています。

UM30S形式30ft無蓋コンテナ

私有コンテナ史上、最大級のミステリーを残した形式である。

   
 UM30S-85401(2位側):神奈川臨海鉄道
工業塩専用
 UM30S-85412(4位側):神奈川臨海鉄道
工業塩専用

この形式が誕生した経緯は・・・
横浜本牧駅から渋川駅まで工業塩を無蓋車で輸送していましたが、平成15年にコンテナ化され、本形式は85401~85440番が製作されました。積荷の工業塩は直接積載するのではなく、無蓋車と同じ方法で、バスタブ状の専用コンテナに工業塩を入れて運ぶ方式が採用されています。専用コンテナは無蓋車時代からのものを引き継いだようです。1個に対し、4個積載出来ました。2-4位側にのみ扉のある側一方開きの構造となっています。
形式の謎・・・
本形式は「UM」という私有を示す「U」と無蓋コンテナを示す「M」は問題ありませんが、そこから先に「30S形式85400番代」が問題となります。
30の謎・・・無蓋コンテナでは床面積を形式とします。30は30㎡(厳密には29.5~30.4㎡)という事になり、30ft級コンテナでは物理的にあり得ない数値である。何故「30」となったのか。
Sの謎・・・使用用途に当たる記号であり、本形式の専用とする「工業塩」は普通品ですから「A」を付ける所。「S」は特殊構造(スワップボディコンテナ)に与えられるものであり、本形式はスワップボディコンテナでもないし、何処にも特殊な構造がない。工業塩を入れるコンテナの取り付け部品が特殊であったのか、それとも「塩(salt)」を示していたのだろうか。
80000番代の謎・・・30ft、31ft級コンテナには80000番代は付与されない。というより、その番代がルール上存在していない。
5000番代の謎・・・総重量が20t級の区分に対し、5000番代の付与はない。
400番代の謎・・・特定区分などに使われるものですが、400番代の割り当ては設定されていない。
と、数多くの謎を秘めた形式。登場から僅か2年後の平成17年に輸送先の工場が事業終了となり、本形式も廃形式となりました。現存しているなら、貨車博物館に保存したかったなぁ。と思うのは作者だけではないでしょう。






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