私有コンテナとは?

 私有コンテナとは、JR貨物以外の企業、団体などがJR貨物の承認を貰い、形式及び管理番号を与えられたコンテナをいいます。コンテナは輸送に関わる様々な法令や基準により、寸法や構造などが厳しく定められており、この範囲内であれば自由な設計が出来ます。この自由な設計は所有者や借受使用者の強い希望があれば、機器などの付帯も可能という事であり、使い勝手や安全性の向上が図られるメリットもあり、多種多様な目的に応じたコンテナが増えるきっかけにもつながっています。
 私有コンテナの製作にあたり外装もルールがあり、指定された記載の他、危険品や特殊品においては関係する法令で定められた標記事項や指定された色を使用する。そして、社会通念上の概念を順守するというのがあります。これらを守れば自由な表現が可能であり、企業の宣伝なども出来る。近年では芸術的なラッピングコンテナなども登場し、賑やかなものとなっています。
 私有コンテナ制度の始まりは国鉄時代の昭和45年に運行が始まったコンテナ専用列車がきっかけになります。荷主へのサービス向上を目的に私有コンテナの制度が始まり、昭和62年の国鉄分割民営化により発足したJR貨物が継承し、この制度は現在も続いています。

現在、鉄道輸送されるコンテナでJR貨物所有、私有コンテナの他に「海上コンテナ」というものがあります。これは国際海上コンテナやISOコンテナと呼ばれる、国際基準に基づいて設計されているコンテナで、私有コンテナとは別のもの。但し、JR貨物に登録しているもの(形式や管理番号が付与されているもの)は私有コンテナの区分となっています。

コンテナの紹介にあたり、様々なものをご紹介しますが、初心者の方ではチンプンカンプンなものが多くあります。もっと楽しくご覧頂けるように形式及び記号等の読み方をお教えしましょう。

私有コンテナの形式及び記号の読み方(旧式:国鉄時代からJR貨物初期に登録したもの)

例:UT1-4649


私有である事を意味しており、「User」の頭文字です。但し、例外として日本通運所有の12ft有蓋コンテナはNippon tsuunの頭文字「」、同じく日本通運所有の12ft通風コンテナは「NV」、全国通運所有の12ft有蓋コンテナはZenkoku tsuunの頭文字「」が使用されています。
用途を意味しており、アルファベット1文字で表示されます。
C:ドライ(普通品コンテナ
H:ホッパーコンテナ
M:無蓋コンテナ
R:冷蔵又は冷凍コンテナ
T:タンクコンテナ
V:通風コンテナ
 1~9までの数字一文字で、コンテナのサイズ、使用用途を表します。(各形式で説明します。)
   形式と登録番号の間に「-(ハイフン)」を区切りとして使用します。






連続する番号、飛び番号があるほか、構造などを表す番代区分による番号の割り当てがあります。
番代区分は後ほど説明します。

私有コンテナの形式及び記号の読み方(新式:JR貨物の新しい登録)

例:UW60D-8001


 私有である事を意味しており、「User」の頭文字です。
 用途を意味しており、アルファベット1文字で表示しています。
なし:ドライコンテナ(有蓋コンテナ)
:冷蔵コンテナ 冷蔵(reizo)の頭文字「R」
:冷凍コンテナ
 冷凍機などを用いたコンテナ。凍らせるを意味する「フリーズ(freeze)」から。
:通風コンテナ 通風器のベンチレーション(ventilation)から。
:活魚コンテナ 
鮮魚を意味するlive fishから。現在は有蓋コンテナで登録し、数字の後にDを付与しています。
:無蓋コンテナ 無蓋(Mugai)の頭文字「M」から。
:ホッパーコンテナ ホッパー(hopper)の頭文字「H」から。
:タンクコンテナ タンク(tank)の頭文字「T」から。
G:電源用コンテナ 発電機を意味するジェネレーター(generator)の頭文字「G」から。
W:静脈物流用コンテナ 廃物を意味する「waste」の頭文字「W」から。
X:試験又は測定用コンテナを意味しています。(JR貨物所有のみ)
Z:事業用コンテナ(JR貨物所有のみ)
S:事業用コンテナ(JR貨物所有のみ)
60  コンテナの内容積(㎥)又は床面積(㎡)を表します。端数が四捨五入されるので、例の場合は内容積が59.5~60.4㎥のコンテナが60となります。
 使用する用途をアルファベット1文字で表示しています。因みにJR貨物所有の形式は同一形式の派生順にA、B、C・・・と付与しているもので、私有コンテナとは基準が異なります。
A:非危険品、いわゆる普通品。タンクコンテナでは一つの品目に適用。
B:航送用。
C:危険品。タンクコンテナでは一つの品目に適用。
D:特殊なものや構造など。
E:多品種積載のうち、非危険品のもの。タンクコンテナに適用。
F:多品種積載のうち、危険品のもの。タンクコンテナに適用。
G:海上コンテナ(ISOコンテナ)の登録で、非危険品のタンクコンテナ。
K:海上コンテナ(ISOコンテナ)の登録で、危険品のタンクコンテナ。
S:スライドバン・システム又は、工業塩輸送用のコンテナ。(現存せず)
この他に海上コンテナを私有コンテナに編入するにあたり、次の記号が用意されています。(現存なし)
H:航送品
L:特殊なもの
M:タンクコンテナで多品種積載のうち、非危険品のもの。
N:タンクコンテナで多品種積載のうち、危険品のもの。
   形式と登録番号の間に「-(ハイフン)」を区切りとして使用します。






連続する番号、飛び番号があるほか、構造などを表す番代区分による番号の割り当てがあります。
番代区分は後ほど説明します。

登録番号の番代区分について

形式の登録番号(個体番号)では、1からの連続する番号がある他、何かの事情で飛び番号になる場合もありますが、所有者を表したり、コンテナの構造や仕様を表す場合もあります。ここでは、後者の構造や仕様を表す番代をご紹介します。

 番 代  構造や仕様
1000番代  冷凍コンテナで冷凍機用電源を外部から供給する方式のもの。(現存せず)
5000番代  三種(後の2種、現在は20ftコンテナ)で、最大総重量が12.3t以上13.5t未満のもの。
8000番代  最大総重量が13.5t以上のもの。
9000番代  第2種積載限界内で運ぶもの。
9500番代  第1種積載限界内で運ぶもの。
9800番代  最大総重量が18t~24tまでのタンクコンテナ。
25000番代  全長が22.5f又は24ftのコンテナ。
30000番代  30ftクラスのコンテナ。
90000番代  ISOコンテナを私有コンテナに編入したコンテナ。

この番代を単独で使用する他、組み合わせて使用する場合もあります。例として、8000番代と30000番代を組み合わせ、38000番代となります。このため、0番代ではなく、38000番代から始まる形式もあります。



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