コンテナってなに?
 コンテナ」という言葉があり、身近なものでは何かを入れる容器として知られています。鉄道をはじめとする物流の世界での「コンテナ」とは、貨物輸送を目的とした容器を言い、一般的には直方体の形状で、液体などを輸送するために円筒形、直方体のコンテナに収まらないものを輸送するために、屋根のないタイプなど運ぶものに応じたスタイルが様々あります。
 貨物を輸送する際に最も労力や時間を要するのが積替え、人で例えるなら乗換えをする事です。規格化された容器(箱)に貨物を詰めて輸送する発想は18世紀末の頃より幾つかの国で始まりました。世界各国で統一した規格になったのは20世紀半ばで、鉄道やトラック、船舶、航空機と異なる輸送手段において、コンテナの規格を統一する事により、コンテナを載せ替える事でスムーズに輸送が行え、従前の輸送手段と比べると格段に輸送効率が向上しました。異なる種類で貨物輸送が可能になるこのシステムを「複合一貫輸送(Intermodal freight transport)」と言い、インモーダル輸送とも言われています。
このインモーダル輸送に使用されるコンテナは世界各地でどこでも使用するため、国際標準化機構(通称:ISO(Intermational Organization for Standardization)という機関で定められた設計となっており、このコンテナをISOコンテナと読んでいます。
 我が国のコンテナの誕生は、世界各国とほぼ同じ。鉄道輸送では国鉄(鉄道省)が戦前に研究を始めました。当時は1t積みの小さなコンテナを設計し、試行錯誤繰り返しました。戦後、研究開発が再開されます。実績のある1t積みは積載効率は悪く、5t積みにすると荷役機械やトラックがなく、当時は有蓋車は主力であり、競合する事から採用は見送られ、中間の荷重となる3000形式3t積み有蓋コンテナを設計し、試験を兼ねながら運用を始めました。しかし、運賃が割高になるなど不評で量産はされませんでした。しかし、時代のニーズは高速化。
 昭和34年より本格的なコンテナ輸送を実施する事が決まり、5000形5t積みコンテナを試作、その後量産形式も登場し、鉄道によるコンテナ輸送が始まりました。
 その後は国際化に足並みをそろえるために進化を続け、様々な荷主のニーズに呼応した設計のコンテナが次々と登場し続けます。一方、車扱いと呼ばれる貨車を用いた輸送は長らく鉄道輸送の主力でしたが、速達化や荷役効率の向上など諸々の問題において、ニーズに応える事が難しくなっていきました。JR貨物では問題を解決するため、平成20年頃より、コンテナを輸送の主軸とするようになります。地球環境にやさしい鉄道輸送と小回りのきくトラック輸送にコンテナ輸送は最適な輸送方法として、現代の鉄道輸送の姿となっています。
 コンテナも日々進化しており、様々な種類のコンテナが生まれ、多種多様なISOコンテナも鉄道で輸送されています。過去帳となった貨車の数々も、多くがコンテナという形で再び鉄路に戻ってきています。

コンテナの細部の名称
 これから色々な鉄道コンテナをご紹介していきますが、ちょっぴり難しい用語が時折出てきます。コンテナの部位の名前ですが、覚えて頂くと、楽しく参考になると思いますので、ご覧下さい。

             

妻面(つまめん)
レールに対して直角になる面を言います。扉がある場合は「妻一方開き」と呼びます。側面に扉がある場合は、片方であれば「側一方」、両側にあれば「側二方」と呼びます。それぞれの面に扉があれば、組み合わせて呼びます。(側一方、妻一方開き)
ヒンジ
日本語では「蝶番(ちょうつがい)」、「蝶番、丁番(当て字)(ちょうばん)」と呼ばれています。扉や蓋を支えるとともに、開閉を可能とする部品。
ロックレバー
扉の開閉をする際に用いる部品。輸送中に開かないように、扉には別に鍵をかけています。
標差し(ひょうさし)
コンテナの行先や注意事項などを記した紙片を収納するもの。
脚(あし)
コンテナの底面が直接地面に接しないように設けられるもの。フォークリフトなど荷役機械の作業スペースを設ける意味合いもあります。
フォークポケット
フォークリフトによる荷役作業の際に、フォークリフトの爪を差し込む場所。5tコンテナ用の他に、20ftコンテナ(空っぽに限る)も扱える10t用フォークリフトもある。但し、それ以上のサイズでは扱えないので、トップリフターと呼ばれる荷役機械を用います。

5t用フォークリフトで荷役をする様子。コンテナをすくい上げるように動きます。

このフォークリフトによる方式はわが国独自のもので、コンテナ輸送を導入する際に線路幅が狭軌を採用している事などや使い勝手の良さからを考えた結果、海外標準では最小の10ftよりやや大きめの11f(後に12ft)の独自のサイズを採用したことにより、この荷役方式が誕生しました。
        
底面中央(フォークポケットの中間)に矢印形の突起を備え(写真左)、受け側となるコンテナ車やトラックには写真右のような緊締装置を設け、コンテナを緊締装置の上に載せると自動的に緊締します。レバー操作によって解錠する事が出来ます。この方式を半自動式中央緊締方式と言います。業界では緊締装置と呼ばれているそうです。

隅金具(すみかなぐ)
                
英語名では「キャスティングボックス」と呼ばれるもので、コンテナを貨車やトラック、船舶に積載する際や重ねて置く時に使われるもので、基本的にコンテナの四隅に付けられています。(写真左)固定は写真右に見える貨車やトラックに設置された「爪」と呼ばれる三角錐状の突起を隅金具に挿入し、爪を回転(ツイスト)します。この方法をツイストロック方式と言い、世界標準の荷役方式となっています。
            
隅金具を用いて荷役をする機械を「トップリフター」と言い、コンテナを吊り下げる形で荷役をします。

コンテナの形式と規格
 コンテナ輸送を運営するにあたり、鉄道は勿論、輸送するトラックなど共通の規格が必要です。このため、コンテナの大きさや重量など必要な事柄が、昭和34年の鉄道によるコンテナ輸送が始まった当初から決められており、その後ニーズの変化など諸般の事情に応じて変化に対応しつつ、下記のような規格の変化があります。
国鉄・JR貨物コンテナ
昭和34年~昭和41年
 種類が少なく、形式の前にアルファベットを用いた記号はありません。4ケタの数字が付与されていました。現在は使用されていません。
昭和41年~昭和62年
 種類(用途)のアルファベット+2ケタ又は3ケタの数字を用いた方法になります。
昭和62年~
 JR貨物が発足し、形式を付与する内容が変更され「2ケタ」の数字で表す事になりました。この2ケタはコンテナの内容積又は床面積を意味するようになっており、例えば、20の場合内容積は19.5~20.4㎥の間に属するコンテナとなります。この変更により、選定や荷役作業の利便性の向上を図っています。この付与方法では、構造の異なるコンテナ(扉の配置など)をわかるように、登録した最初の形式を「A」、2番目を「B」、以降C、D・・・と数字の後ろに加えるようになっています。(例:20A、20B・・・)数字の前に付く頭文字では、普通コンテナ(ドライコンテナ)を除いて従来通りとなります。
コンテナの規格は大きく改められ、国鉄時代では4種類あったものを3種類に変更しました。
第1種コンテナ(12ftコンテナ)
長さ3715mm、幅2450mm、高さ2500mm、最大総重量6.8t

第2種コンテナ(20ftコンテナ)
長さ6058mm、幅2490mm、高さ2500mm、最大総重量13.5t

第3種コンテナ(30ftコンテナ)
長さ9125mm、幅2490mm、高さ2500mm、最大総重量13.5t


ハローマーク
 鉄道輸送される貨物は様々なものがあり、その中にはこの規格では収まらない貨物が出てきます。その要望に応える形で登場したのが「
規格外コンテナ」と呼ばれるコンテナで規格は車輛限界範囲内で設計されています。このコンテナは積載出来る貨車や運用される区間が限定されます。
この規格外コンテナである事を示すために通称「ハローマーク」と呼ばれる記号がコンテナに表示されます。

        

規格外となるのは4つ。コンテナの高さ(H)、長さ(L)、幅(W)、そしてコンテナの総重量(G)があり、これらをひし形の中に4分割し、標記しています。この標記したものを「ハローマーク」と言います。該当する標記の値を右に表示する決まりとなっています。
     
    
該当しない部分は黒く塗りつぶします。中には積載を禁止する貨車の標記を併記しているものもあります。なお、ハローマークは国内で運用されるものとISOコンテナでは形式が付与されているコンテナについており、ISOコンテナでは国際的なルールに基づいた標記が付けられています。

有蓋コンテナ
 コンテナの代表格ともいえるのが有蓋コンテナで、箱型の5t積みコンテナが基本となります。国鉄時代は5t積みコンテナが主力で、様々な種類がありました。当初は4ケタの数字で形式名を表していましたが、昭和41年以降に登場する形式にはコンテナを意味する「container」の頭文字「C」が付いています。

6000形式5t積み10ftコンテナ

   

         16127(3位側)                     36736(4位側)
5000形式5t積みコンテナの増備形式として昭和35年に登場しました。小型の10ftクラスで、外寸は長さ3282mm、幅2366mm、高さ2359mmと旧規格に沿った設計となっています。妻一方開きのドライコンテナで、塗装は登場時は淡緑3号でしたが、汚れが目立ち、色が褪せやすい事から、昭和39年以降は山手線と同じ黄緑6号となっています。製造個数は昭和45年までに5180個つくられました。
現在は引退し、写真の16127は補修され、埼玉県さいたま市にある鉄道博物館で保存、展示されています。この他にも倉庫などに使われている個体もみられます。

7000形式5t積み10ftコンテナ

7100(4位側)

昭和37年に登場した形式で、小口貨物に適応し、かつ車輛に載せたまま荷役作業が出来るように側面両側の二方開きとした形式です。昭和40年までに200個が製作されました。

C10形式5t積み10ftコンテナ

           

C10-302(4位側)

 昭和41年にコンテナ記号が制定される事となり、コンテナのサイズ変更など大きな見直しが実施されました。本形式はその第1号の量産形式で、10の数字の前にコンテナ(container)を表す「C」の記号が付いています。
 C10形式は第1種コンテナの規格で設計されており、全長3301mm、全幅2372mm、全高2356mmと6000形式と比較すると一回り大きくなりました。全長は11ftですが、案内などでは10ftコンテナとして広く知られています。
 構造面では6000形式をベースにプレス鋼板を用いて強度を高めたほか、クレーン荷役にも対応できるように改良が施されています。
 登場後、昭和44年までに15126個製作され、初期のコンテナ輸送を支え、平成2年まで活躍しました。その後、倉庫の代用などで見かける個体もありましたが、老朽化などで見られる機会は徐々に減っています。

C11形式5t積み10ftコンテナ

    

       C11-1263(3位側)                   C11-5133(2-4位側)

C10形式と同じく昭和41年に登場したコンテナで、6690個製作されました。荷役作業をし易くするため、C10形式の側面に扉を設けて、妻一方、側二方の三方開き構造としたもの。側面の扉が特徴的です。使い勝手がよく、平成13年まで活躍しました。

C12形式5t積み10ftコンテナ

C12-236(2位側)

昭和42年に登場した妻一方開き構造の第1種コンテナで、260個が登場しました。このコンテナの特徴は、妻面の扉より荷役が難しい貨物に対応するために、屋根スライド式の開閉機能を持たせ、クレーン荷役により出し入れ行う方法となります。この特殊構造が幸いし、JR貨物発足後も長らく使用されていました。現在は廃形式となっています。

C20形式5t積み12ftコンテナ
 鉄道を使用したコンテナ輸送は昭和34年より開始され、黎明期より使用されてきたコンテナは5000形式や6000形式を代表とする11ftコンテナが標準でしたが、国際化が進む中、ISO規格を採用し、コンテナのサイズを大型化する事になりました。昭和45年にその試作となるC94形式が誕生し、昭和46年にC20形式が量産形式として登場。昭和55年までに37934個が製作されました。
 12ftサイズで、全長3658mm、全幅2438mm、全高2350mm、妻一方の一方開き構造で、塗装は従来通りのコンテナグリーン(黄緑6号)を継承し、識別のため白帯が追加されています。余談ですが、12ftサイズにしたのにはもう一つ理由があり、新幹線において貨物輸送の構想があり、全長方向を全幅側にする(レール面に対して垂直に置く)事で積載出来るように設計していました。(現在の所、新幹線による貨物輸送は実施されていません。)
 C20形式の規格は、当時の私有コンテナの設計に大きな影響を与えたのは言うまでもなく、後継の基礎となるなど多くの功績を残した由緒あるコンテナでもあります。なお、C20形式を5個積載出来るように、コンテナ貨車も新規にコキ50000形式が製造されています。11ft規格であったコキ5500形式、コキ10000系は車長が短く、積載間隔も短かったので、当初は1両に2個しか積載出来ませんでした。あまりに非効率であるため、積載個数を4個とする改造が行われています。
 国鉄コンテナの代表形式として活躍。昭和57年にはC21形式と共に、荷役効率向上を図る目的で片方の側面に扉を設置した二方開きのC30形式に改造された個体も多数あります。
 JR貨物へ移行後も活躍は続き、一部は簡易通風仕様や貨車の輪軸輸送用などの事業用に転用された個体もあります。後継となる18系、19系コンテナの登場により、徐々に活躍の範囲は少なくなり、平成20年に形式消滅しています。
 登場時期により、3つに大別する事が出来ます。

          
C20-1~25434(C20-6362(4位側)

昭和46年から48年まで製造されたグループです。C10形式を拡大した妻一方開きの構造で、使い勝手の良さから大量に製作され、国鉄コンテナの代表的な形式となっています。クレーン荷役に対応したC21形式が後継形式として誕生しました。現在でも丈夫な構造が幸いし、倉庫代用など全国各地で散見することが出来ます。

         
C20-30001~38500(C20-34743(2位側)

後継形式であるC21形式が目的としていた、クレーンを用いた自動荷役は設備に問題があり失敗に終わってしまいました。このため、昭和52年より吊り金具の無い本形式が増備される事になりました。通称、30000番代と呼ばれるこのグループではC21形式に準じた構造の強化が図られているのが特徴です。本グループをベースに保冷パネルを設置したC95形式が設計されています。

          
C20-40000~42000(C20-41851(3位側)

昭和55年に登場した最終増備グループで、通称40000番代と呼ばれています。外観の変化として後位妻面にある扉のロックレバーが2本になった改良型のグループです。

国鉄からJR貨物へ移行し、引き続き使用されていたC20形式ですが、改造したグループが登場します。それが50000番代というもので、C20形式及び後述するC21形式に簡易通風機能を付加したものです。
               
C20-50466
(1位側) 

JR貨物が発足した昭和62年から63年に登場したグループで、既存のC20形式、C21形式を簡易通風コンテナに改造したもので、数百個が改造されました。写真はJR貨物北海道支社の仕様で、両側面の両端部に雨水侵入防止カバーを設けた小形の通風孔を設置しています。塗装は水色を基調とし、紺色の帯、JR貨物北海道支社の文字が入れられていました。

              
C20-50616 (3位側)

こちらは九州支社の仕様で、妻面及び扉のコルゲートの凹んだ部分に雨水侵入防止カバーを設けた小形の通風孔を設けたものです。コンテナブルーである青22号をベースに、通風を意味する「Vemtilation」の「V」を模した黄色の帯が配されていました。

C21形式5t積み12ftコンテナ

昭和49年に登場した12ftコンテナです。仕様そのものはC20形式と同じ、妻一方開きの構造です。異なるのは、船舶などのクレーン荷役に対応するために屋根の四隅に隅金具を設置した点にあります。もともと、C20形式の原型ともなるC94形式試作コンテナで考えられていたもので、C20形式では採用が見送られていましたが、本形式で採用しました。塗装はコンテナグリーンの黄緑6号にC20形式と識別するため、青22号の帯が巻かれています。構造では吊り下げられる事から、鴨居部の強化が図られています。
14000個がつくられましたが、荷役設備が対応出来ていないなどの問題があり、クレーン荷役は失敗となり、C20形式が再増備されています。C20形式と共に活躍しましたが、平成18年に形式消滅しています。

   
左(C21-959)は前位側の様子が分かる1位側、右(C21-12268)は後位側の様子が分かる3位側より撮影したもの。帯色の違い、屋根四隅にある隅金具がC20形式との見分けになります。

               

写真はC21-2190という個体。見ての通り、側面に扉が設置されています。これは、この後ご紹介するC31形式の試作品(モックアップ)として改造したものです。コンテナの歴史を知る上で、非常に貴重な個体とも言えます。

C95形式5t積み12ft簡易保冷コンテナ

 コンテナの種類の一つに「冷蔵コンテナ」というものがあります。この冷蔵コンテナは貨物を載せ目的地まで輸送すると、帰りは空で返さなければならず、輸送効率の面で問題となっていました。そこで、定温輸送貨物だけではなく、一般の貨物も輸送できるコンテナが考えられ、昭和53年に登場したのがこのC95形式で、600個製作されました。
 C21形式とほぼ同じ構造ですが、コンテナ内はベニヤ板の内張りではなく、発泡ウレタンを用いた断熱材の内張りとしていました。塗装は熱を吸収しにくい白色をベースに下部を水色、同色の帯を巻いていました。当初はC21形式と同じく、屋根の四隅にツイストロック式の吊り金具を受ける隅金具が設置されていましたが、後期では廃止され、C20形式と同じ外観となっています。
簡易保冷であるため、野菜など生鮮食品を主に輸送していました。JR貨物に移行しても活躍をしていましたが、私有保冷コンテナの増備が進み、平成18年に形式消滅しています。

                 
                          C95ー577(2位側)
C20形式やC21形式と同一設計であり、外観は塗装の違いとなっています。

C30形式5t積み12ftコンテナ

昭和46年に新5t積みコンテナとしてC20形式が登場。従来形式よりも内容積が大きくなり、積載出来る容量が多くなりました。しかし、荷役効率を上げるために旧規格であるC11形式10ftコンテナのような側面にも扉がある構造のコンテナが荷主より求められていました。
昭和58年に専用ホームでの荷役も考えて、側面に扉を設けた妻一方開き、側面一方開きの二方開きコンテナを製作する事に…しかし、当時の国鉄の台所事情は火の車。新製することもままならないので、C20形式及びC21形式を改造したのが本形式で、500個改造しました。
妻面の扉に向かって左手の側面(2-4位側)に扉を増設し、識別のため白色又は水色の帯から、二方開きを意味する赤色の帯に変更しました。
同種の構造を持つ新型コンテナの登場により、平成16年に形式消滅しています。

                
                           C30-128(2位側)
2-4位側(改造した側)の様子。屋根端部に隅金具がある事からC21形式を改造した個体である事が分かります。

C31形式5t積み12ftコンテナ

妻一方開き、側面一方開きのL字二方開きコンテナとしてC20形式、C21形式を改造したC30形式が国鉄工場で改造されていましたが、並行して車輛メーカーで新製したのが本形式で、昭和58年に登場し、3500個が製作されました。
一見すると、C30形式とほぼ同じですが、側面扉のヒンジが異なるほか、C30形式は構造上改造であるため、側面扉が180度までしか開かない構造ですが、本形式では妻面にピッタリ付く270度まで開くようになっています。また、内部もC30形式では床面が鉄板張りでしたが、本形式は天井面も含めて合板張りとなっています。
JR貨物移行後も活躍していましたが、同種の後継形式の登場により平成21年に形式消滅しています。

  
写真左(C31ー817)は四位側、写真右(C31-2555)は扉のない3ー1位側の様子。C30形式とは酷似している事がわかります。

C35形式5t積み12ftコンテナ

 昭和58年に二方開きのC31形式の発展形式。内容積を増やし、自重及び製造コストの低減を図った形式として昭和59年に登場し、11600個が製作されました。
 財政難であったため、国鉄コンテナでは初めて庫内の内張りとなるベニヤ板を全面廃止し、鉄板としました。また、プレス鋼板製の自動溶接を可能とした構造とする事で、工作の簡易化を図りました。塗装は本形式より、イメージを一新するため、スカイブルー(青22号)が採用され「コンテナブルー」と呼ばれるようになりました。
 と、華々しい登場のイメージがありますが、内張りが無く、鉄板そのままの構造は貨物の擦れ傷、気温差により生ずる結露を防ぐベニヤ板が無い為、の貨物への浸透などが発生し、毀損事故、商品価値の低下などの苦情が多発し、本形式の増備は中止されてしまいました。平成22年に形式消滅しています。
     

扉のある2-4位側の様子。写真左(C35ー3320)と写真右(C35-10460)を見比べると製造時期の違いから票差しの設置位置が異なっている様子がわかります。
          
こちらは1-3位側の様子。(C35ー2472
(1位側))プレスリブのシンプルな構造となっています。

C36形式5t積み12ftコンテナ

コストダウンを図る目的で設計されたC35形式は内部が鉄板そのままであったため、不評でした。内張りにベニヤ板を復活させたのが当形式で、昭和61年に登場し、7500個製作されました。晩年は産業廃棄物輸送用にしたWC36形式に改番した個体もありました。平成22年に形式消滅しています。

             
                      C36ー1712(4位側)
外観はC35形式と同じ、L字二方開き構造となっており、パッと見ただけでは区別がつきません。
C40形式5t積み12ftコンテナ
日本通運がたばこ製品を輸送するために開発したNC2形式私有コンテナを国鉄形式としたもので、昭和61年に100個製作され、たばこ製品輸送を中心に活躍しました。
本形式はC31形式をベースにしつつ、たばこ製品の入った段ボール箱を7段から8段により多く積載出来るように全高を2500mmとした点が特徴にあり、「背高コンテナ」と呼ばれました。この全高2500mmはJR貨物で設計された18系コンテナや19系コンテナでも採用されています。塗装はコンテナブルーを基調としつつ、背高コンテナである事を示す白帯が巻かれていました。平成19年に形式消滅しています。
             
                      C40-12(4位側)

タンクコンテナ
 コンテナ輸送が始まり、様々な貨物が運ばれるようになりました。運ぶ貨物で徐々に要望が出てきたのが化成品などタンク車で輸送していた貨物です。その声に応じて、昭和40年に国鉄では初めてとなるタンクコンテナ400形式が2個試作された事に始まります。積載する貨物に応じて多数の形式が製作されましたが、運用区間が限られるほか、扱われる貨物が限られているため荷主も限られてしまうという問題があり、昭和45年に制定された私有コンテナ制度発足により、以降の増備、新形式の開発は行われていません。
 形式の数字の前にタンク(tank)を意味する「T」の記号が付けられています。

T10形式5t積み10ftコンテナ
昭和40年に400形式試作コンテナとして2個製作され、その後400形式はT10形式に形式を改め、14個製作されました。量産コンテナは試作コンテナよりも全長を短くし、クレーン荷役に対応するために吊り金具を装備しています。キセ付きのタンクコンテナで、積荷が硬化した際を考えて蒸気加熱管を備えています。タンク体上部のマンホールから積入れ、鏡板下部にある液出管から取出す、上入れ下出し方式となっています。
               
                           T10 4(3-1位側)
専用種別は植物性硬化油となっていますが、輸送されていたのはヤシ油、牛脂、ラード、大豆油、ワックスの品目で、それぞれ指定された個体が使用されていました。写真の4番はヤシ油を輸送していました。このコンテナは埼玉県さいたま市にある鉄道博物館に保存されており、見学をする事が出来ます。
積荷の説明
ヤシ油(椰子油)…ココヤシの果実であるココナッツの種から抽出される油脂で、ココナッツオイル(coconut oil)とも言います。比較的高い温度で固まるのが特徴で、室温20℃以下で固まり、20~25℃でクリーム状、25℃以上で透明の液体となります。洗剤やせっけんの原料、ラクトアイス、ホイップクリームの原料に用いられています。

T12形式5t積み動植物油専用12ftコンテナ

T12 3※写真は模型です。

昭和40年に930形式(後のT11形式)と共に試作された危険品輸送用のタンクコンテナです。登場時は935形式という形式名です。外観は930形式と共に楕円形の断面を持つタンク体で、トラック輸送時に重心を低くする目的があります。930形式は絶縁油、当形式は引火点130℃以上の動植物油を専用とし、亜麻仁油、ひまし油、米ぬか油を輸送していました。
積荷の説明
亜麻仁油(あまにゆ)…亜麻の種から採取される黄色の乾性油(空気に触れると固まる油)で、食用ではα-オレイン酸など不飽和脂肪酸に富む事から栄養サプリメントとして、また卵の代用として焼き菓子などのお菓子の原料に用いられています。食用以外では、絵の具のバインダーや木製品、革靴の仕上げに使う「オイルフィニッシュワニス」の原料となっています。
ひまし油(蓖麻子油)…トウゴマの種から採取される植物油で、主に工業用に用いられており、潤滑油、インキ、ワックス、髪油(ポマードやびんつけ油)、香水などの原料、セバシン酸や有毒なリシンの原料、医薬品製造(主に下剤)の原料となっています。
因みに、自動車やオートバイ用オイルで有名なカストロール(Castrol)社の社名はひまし油の英語名「castor oil」に由来しています。
米ぬか油…米油とも言われ、米ぬかから抽出される植物油です。原材料は玄米が主なものとなっており、加熱した際に酸化しにくい特徴があり、酸化しにくいため、油酔いが起こりにくい。この点を活かし、製菓(ポテトチップスなど)の製造に用いられています。

T15形式5t積み植物油専用12ftコンテナ

 昭和43年に登場した植物油専用のタンクコンテナで6個製作されました。植物油専用ですが、輸送していたのはラテックスです。タンク体はステンレス製で、黄緑6号に塗装されています。タンク内はエポキシ樹脂によるコーティングが施されています。
               

     T15 5(3-1位側)

T10形式と似た外観ですが、タンク体にはキセが巻かれている点が異なっています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その3 タキ7900形式をご覧下さい。

ホッパコンテナ
 昭和41年に登場した区分のコンテナです。2ケタの数字の前にホッパ(hopper)を意味する「H」の記号が付きます。国鉄の意欲作の一つでもありますが、この種類のコンテナもタンクコンテナと同じく、輸送区間や荷主、積載出来る貨物が限られてしまう事から、昭和45年に発足した私有コンテナ制度発足と同時に増備、開発は中止されています。

写真(模型)はホッパコンテナ第1号形式のH90形式5t積み粉粒体専用12ftコンテナで、登場時は950形式という形式名でした。合成樹脂の原料を輸送するコンテナで、特徴は大きく削られたように見えるタンク体。荷卸し時はトラックの荷台から行う事が前提で、取出し口の反対側をクレーンで釣り上げて排出する自然落下方式が採用されました。

通風コンテナ
 有蓋コンテナコンテナの派生コンテナで、通風を意味する「ventilateor」の頭文字「」が付きます。
 誕生は昭和36年で、6000形式を果物や野菜の輸送に適した構造とした200形式(昭和41年よりV10形式)が始まりです。側板、妻面に通風口を多数設置し、さらに通風効果を高めるために床は透かし張りとしていました。

 写真(模型)はV10形式で、昭和42年には屋根部にクレーン荷役に対応するため吊り金具を装備したV11形式が製作されました。以降は国鉄では新形式は製作されず、私有コンテナが数形式製作されています。

冷蔵コンテナ
 冷蔵コンテナの歴史はコンテナ輸送が始まる以前の昭和30年。勿論、試作コンテナです。本格的なコンテナ輸送が始まると、100形式(後のR10形式)、150形式(R90形式)(写真は模型です。)が登場します。両者は同じ構造ですが、150形式は100形式を一般貨物でも使用出来るように通風口を設けたものです。
 その後、100形式は冷蔵(reizo)を意味する記号「」を付け、R10形式に形式変更し、1518個製作されました。

 R10形式登場後、設備の改良や保冷効果を高める改良が加えられ、幾つかの形式が登場。末期には冷凍機付きの試作コンテナも登場しますが、量産される事無く、得られた技術は私有コンテナへと引き継がれました。

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