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昭和23年に登場した旅客用テンダー式蒸気機関車です。愛称は「シロクニ」です。前年に登場したC61形式と同じく、増加する旅客輸送に対応するため、貨物用蒸気機関車を改造したもので種車はD52形式です。C61形式は地方幹線向けであるのに対し、C62形式は東海道本線などの幹線(特別甲線)での特急、急行列車を牽引する目的で改造が行われました。
C61形式と同じく『改造』という名目で、ボイラー以外は既存の旅客用機関車の設計としています。機関車の全長は21.48m(炭水車含む)、自重は145.2t。走り装置はC59形式を基本としており、動輪直径はC59形式と同じく最大の1750㎜。ボイラーは貨物用としては最強のD52形式のもので、旅客用としては1620PSと最強の機関車です。
この、大きな動輪と特大ボイラーを搭載しているため、車両接触限界(車輛が、その周囲にある構造物などと接触しないための限界。)の恐れがあるためボイラー上部の煙突は太く短めに、蒸気溜めと砂箱を覆うキセは平たいものとし、汽笛は斜めに設置されています。この部分からいかに大きい機関車かがわかります。
東海道、山陽本線、呉線、東北本線、常磐線で特急、急行列車の牽引に活躍し、北の大地北海道、函館本線でも活躍し、重連運用は今でも伝説になっています。
保存機もあり、1~3、17、26号機となっています。写真左は2号機でデフレクター(除煙板)のつばめマークが特徴です。梅小路蒸気機関車館にて動態保存されています。写真右はリニア・鉄道館にて静態保存されている17号機。蒸気機関車の最高速度記録(昭和29年に東海道本線木曾川橋梁にて、狭軌の蒸気機関車では最高速度となる129km/hを達成しました。)を持つ記念すべき機関車です。