
ホッパ車(ほっぱしゃ)とは?
「ホッパ(ホッパー)」とは貨物(粉粒体)を漏斗形状を介し、取り降ろす装置を言い、貨車の底面に設けられます。この構造の貨車をホッパ車と言います。記号は「ホッパ」の「ホ」です。
ホッパ車の積荷は大きく分けて、石灰石などの鉱石や砕石等、水分に晒されても問題の無いもの、セメントや小麦粉等の粉粒体で、風雨に晒されては困る貨物の2種類があり、前者は無蓋車形状、後者はタンク車のような容器を持つ姿となっています。
ホッパ車が登場する以前は、鉱石や砕石類は無蓋車にばら積み、セメント等の粉粒体は袋詰めしたものを有蓋車で輸送していました。昭和27年にセメント輸送用の私有貨車の登録届がありました。タキ2200形式(後のホキ3500形式)と形式名を与えましたが、この貨車にはホッパがあり、無蓋車でも有蓋車でもない。タンク車とも違う珍妙な構造でした。タンク車では無理がある。という事で昭和28年にホッパ車が分類として新設され、タキ2200形式はホキ1形式(初代)に改番。国内初のホッパ車が誕生しました。その後、ホッパ車でも新しい形が入ってきます。ホッパの荷卸しは線路幅内に限られており、大量輸送する貨物では荷卸しに時間を要します。そこで、側面の一部を開閉可能とし、そこから一気に落とす形が生まれました。当初は違う種類になる話もあったようですが、結果としてホッパ車の一員としています。
ホッパ車は国鉄(JR貨物)所有車と私有貨車の2種類があり、形式が入り混じっていた為、昭和38年に改番が実施され、国鉄所有車は1~2999番、私有貨車は3000番以降を形式とする事とし、改番が多数発生しています。
かつては様々なホッパ車がありましたが、需要の減少やコンテナ化、気動車化等により見掛ける姿が少なくなりつつあります。
ホキ700形式30t積み砕石専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12800mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2742mm | 台 車 | TR41C形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 2900mm | 専用種別 | 砕石(バラスト) | ||
道床のクッション材として用いられるバラスト(砕石)散布作業の効率化を図る目的で昭和32年に登場したホッパ車で、55両が国鉄長野工場で製作されました。全長が12mを超える為、特殊標記符号「オ」が付けられます。
軌道の両側にバラストを散布する構造であり、大きな滑り台が外観の特徴になっています。後継形式はホキ800形式で、昭和61年に形式消滅しています。写真は北海道三笠市にあるクロフォード公園に保存されている貴重な1両です。
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| オホキ746(4位側) |
ホキ800形式30t積み砕石専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12800mm 13300mm |
走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2742mm | 台 車 | TR41C形式、TR225形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 2900mm | 専用種別 | 砕石(バラスト) | ||
ホキ700形式のモデルチェンジ車として、昭和33年に登場しました。作業を更に良くする為、ホキ700形式では軌道の外側にのみ散布できませんでしたが、軌道内にも散布できるように構造を変更しました。車体寸法はホキ700形式と同一ですが、ホキ1773以降はデッキ部を延長して、台車も変更しています。
1066両が新製、12両の改造編入車があり、新幹線車輛としての派生形式や私鉄各社でも自社新製、譲渡による同種の形式が幾つか存在しています。JRになってからは各社に配置されて活躍をしていましたが、車輛の老朽化や保守作業の変化、気動車化により姿を消しつつあります。
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| オホキ1739(1位側) | オホキ1014(4位側) |
ホキ800~1772
TR41C形式台車を履くグループ。ホキ1761~1772番は新幹線用931形式からの改造車となっています。1660番までは国鉄工場製となっています。写真は一般的な姿ですが、保守用車の扱い的な面もあり、蛍光灯を備えた車輛などもありました。
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| オホキ1877(3-1位側) | オホキ1808(2-4位側) |
ホキ1773~1877
TR225形式台車を履くグループ。デッキ部分を拡大しています。写真右の1808番は取り卸し時の騒音対策としてゴム板を設置しています。
ホキ2200形式30t積み粉粒体専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12700mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2962mm | 台 車 | TR207形式、TR211形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 3800mm | 専用種別 | |||
穀物類、飼料等の粉粒体農産物の輸送は袋詰めを行い、有蓋車によって輸送されていましたが、荷役に多くの労力、時間を要し、輸送量が増えると改善の声が上がりました。この声に応えた形式としてホキ2200形式で、昭和41年から1160両製作されました。
お手本にしたのが昭和38年に登場した麦芽専用のホキ6600形式です。サッポロビールが原料輸送に製作した私有ホッパ車で、積荷の品質維持の工夫が施されていました。国鉄はホキ6600形式を参考に、様々な穀物類を輸送出来るように開発しました。
車体形状は車輛限界一杯とした卵形の断面をしたタンク体が特徴で、内部は錆びないようにエポキシ樹脂コーティングが施されています。また、品質を保つ為、遮熱板が設置されています。塗装色は当初は銀色でしたが、クリーム色(クリーム4号)に変更しています。台車は高圧ガスタンク車の走行改善を目的に試作されたTR95形式を量産化したTR207形式とし、途中増備車より、軸箱を密封コロ軸受に変更したTR211形式を履いています。
汎用性の高さから登場後直ぐに大人気となり、車輛不足が深刻になるほどになりました。一部の荷主は似た仕様の私有貨車を製作する対応を行っています。しかし、その人気も長く続かず、昭和50年代に入るとモータリゼーションの進展、労働争議によるストライキの頻発等により荷主が離れていき、余剰車が出ました。JR貨物には半数ほどが継承されましたが、平成3年頃から廃車が始まり、平成12年に形式消滅しています。
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| オホキ12985(4位側) | オホキ12753(2位側) |
ホキ2500形式35t積み石灰石専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 10000mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2870mm | 台 車 | TR213-C形式 | 特殊標記符号 | |
| 全 高 | 2498mm | 専用種別 | 石灰石 | ||
昭和30年代半ば、石灰石輸送の輸送力増強を図るべく大型ホッパ車の試作車が登場しましたが、大型化し過ぎて地上設備等適合せず失敗に終わってしまいました。そこで一からコンセプトや設計を見直し、昭和42年に本形式を製作しました。
積荷の石灰石は車体側面下部に設けた扉から卸す方法で、手動操作の他、地上設備より圧縮空気を送り開閉を自動で行う事が出来ます。勾配線区での運用が多い事から、台車は走行性能を安定させたTR213形式とし、この台車はコロ軸であり、転がりが良い車輛である事を示す為、車体は赤3号としています。派生形式として私有貨車のホキ9500形式が登場しています。
製作された192両の大半が関東地方(浜川崎~奥多摩駅間)で使用されていました。平成10年に石灰石輸送が終了し、一部の車輛はホキ9500形式に編入されました。平成11年に形式消滅しています。
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| ホキ2514(4位側) | ホキ2557(3位側) |
ホキ2500~2539
先行量産車とも言える初期のグループです。特徴は車体側面の荷卸し扉に付いた「叩き板」です。通称「ガンガン叩き」とも言われ、石炭車で凍結によって扉に付いてしまった石炭をハンマーでガンガン叩いて落としていました。扉が凸凹になり、傷みが酷いので、本形式では叩く場所を指定する意味合いも込めて付けられました。
ホキ2540~2589
昭和43年に増備されたグループ。使用実績を基に改良を施しています。叩き板は設置されていないのが特徴です。
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| ホキ2683(3位側) |
ホキ2590~2591
昭和44年に製作された最終増備車。外観は前年度製作の車輛と変わりませんが、ブレーキ装置の改良を施しています。
私有貨車 専用種別が気になったら・・・専用種別の説明 ←ここをクリックして下さい。
ホキ3000形式35t積みアルミナ専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12100mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2706mm | 台 車 | TR41C形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 3765mm | 専用種別 | アルミナ | 化成品分類番号 | |
昭和33年に登場したアルミナ専用ホッパ車です。アルミナ専用車としてタキ6400形式、タキ7400形式に続いて3番目に登場した形式で、唯一のホッパ車となっています。登場時はホキ4050形式としていましたが、昭和38年のホッパ車改番により、ホキ3000形式に変更されています。
箱型有蓋ホッパ車で容積を確保する為、車幅方向から見てW字の断面となっており、ホッパ装置は左右両側にセットされています。荷役方式はエアスライド式となっています。
平成14年に形式消滅しています。
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| オホキ3007(3位側):昭和電工 |
ホキ3100形式35t積みセメント専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 10400~ 11700mm |
走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2650mm | 台 車 | TR41C形式 | 特殊標記符号 | |
| 全 高 | 3710mm | 専用種別 | セメント | 化成品分類番号 | |
昭和36年に登場した35t積みセメント専用ホッパ車で、ホキ3500系式の拡大形式で153両製作されました。登場時はホキ4100形式(2代目)を名乗り、ホキ4100~4117、4128~4147番が登場しました。昭和37年に秩父鉄道に在籍していたホキ1200形式10両が編入され、ホキ4118~4127番となっています。
昭和38年にホッパ車の改番が実施され、1000番差引いたホキ3100形式に変更、増備車のホキ3148~3242、3261~3270番(ホキ3243~3260番は欠番)はホキ3100形式として登場しています。
ホキ3500形式に似たスタイルですが、荷重が増えた分ホッパ部が延長されています。荷役方式はエアスライド方式で、下部両側面にホッパがあります。平成8年に形式消滅しています。
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| ホキ3104(1位側):日立セメント |
ホキ3500形式30t積みセメント専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 9600~ 10400mm |
走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2596~ 2650mm |
台 車 | TR41D-4形式 | 特殊標記符号 | |
| 全 高 | 3705mm | 専用種別 | セメント | 化成品分類番号 | |
日本初の有蓋ホッパ車で、ばら積みセメント輸送の元祖となる形式です。昭和27年に登場しました。当時はホッパ車という分類はなく、この貨車無蓋車でもなく、タンク車でもない存在。その姿からタンク車に分類され、タキ2200形式としました。翌年にホッパ車が制定され、ホキ1形式に形式名を変更します。(タキ2200形式は形式消滅)増備が進められ、ホキ1~94、1000~1123、1128~1160、2000~2002と248両が製作されます。昭和34年にホキ4100形式(初代)が4両登場。僅か7ヶ月後に本形式に編入され、ホキ1124~1127となります。(ホキ4100形式(初代)形式消滅)
昭和38年にホッパ車の形式が改番され、ホキ1形式はホキ3500形式に改番、1~94番までは原番号に3500番を加えた番号(これにより1番目となる3500番は欠番)、1000番代は2595番加えた番号、2000番代は1756番加えた番号に変更されました。
増備は続けられ、ホキ3579~3770番が新製。昭和45年に三岐鉄道所有のホキ5001形式、6001形式が本形式に編入され、ホキ3759~3768番を割り当てましたが、二車現存(同じ形式番号を持つ車輛が複数存在する事で、あってはならない事。)が判明、昭和52年に3771~3780番に変更しました。総数279両が活躍しました。
荷役方式は自重落下方式ですが、エアスライド方式に改造した車輛もあります。平成8年に形式消滅しています。
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| ホキ3567(2-4位側):日立セメント |
ホキ5700形式40t積みセメント専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 10800~ 11700mm |
走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2550~ 2637mm |
台 車 | TR41C形式等 | 特殊標記符号 | |
| 全 高 | 3453~ 3760mm |
専用種別 | セメント | 化成品分類番号 | |
セメント専用ホッパ車では初めての40t積みとした形式で、昭和40年に登場し、628両が製作されました。ホキ3100形式の拡大形式であると共に、当時、貨車を製作するメーカー各社による様々なセメント専用車の製作において、東洋と日車で製作した形式となります。様々なメーカーが様々な形式を登場させ、乱立状態となりましたが、昭和49年以降はタキ1900形式を標準車としています。
東洋工機製はホキ3500形式からの箱型デザインを継承し、各部の軽量化で40t積みを達成させました。一方、日本車輛製は独自開発による台枠中梁とホッパ体を一体化させた、独特のフォルムを持つ軽量車体が特徴となっています。荷役方式はエアスライド方式です。
ホキ5700形式の派生形式として日車製と同一の外観を持つホキ7500形式があります。この貨車はエアスライド方式での荷役が可能ですが、専用設備の無い駅で貨車からトラックへ直接積み替える事を行う為、スクリューコンベアを備えていました。
セメント輸送ではお馴染みの形式でしたが、セメント輸送が衰退し、平成22年に形式消滅しています。
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| ホキ5756(4位側):小野田セメント | ホキ5774(1位側):チチブセメント |
東洋工機製
ホキ5700~5713、5750~5759番の24両が東洋工機製です。電灯の箱型の車体が特徴です。
日本車輛製
本形式の大半が日車製となります。最終増備となる昭和48年製のホキ65700~65739番は台車がTR41G形式となっています。(外観はTR41C形式車と同じ)
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| ホキ65739(4位側):チチブセメント |
日本車輛製
最終増備車のうち、ホキ65736~65739番の4両は後に台車をTR41E-13形式に改造しており、外観が異なります。
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| ホキ25744(3位側):小野田セメント | ホキ45755(3位側):日本セメント |
日車製は大胆かつ緻密な設計により軽量化を図りつつ、40t積みを可能とした設計故に数が多いものの、差異は小さいのが特徴。所有者の地上設備の違いによるマンホールの数や屋根上の付帯設備の違いが大きい。
ホキ8300形式35t積みトウモロコシ及びコウリャン専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12700mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2449mm | 台 車 | TR41E-13形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 3800mm | 専用種別 | トウモロコシ及びコウリャン | 化成品分類番号 | |
昭和49年に17両が製作されました。国鉄所有のホキ2200形式の派生形式の一つ。当時、人気の高かったホキ2200形式の配車不足解消を目的に製作されたもので、ホキ2200形式に似た設計ですが、車体は遮熱板が取り払われ、ホッパを支える支柱が特徴となる、えらが張った感じのデザインです。積荷を特定した為、荷重を5t増加しています。車体色は登場時は黒色でしたが、クリーム色(クリーム4号)に変更されています。平成8年に形式消滅しています。
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| オホキ8307(2位側):全農 |
ホキ9300形式35t積みコークス粉専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12700mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2986mm | 台 車 | TR225形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 3800mm | 専用種別 | コークス粉 | 化成品分類番号 | |
昭和49年に5両製作されたホッパ車で、コークス粉専用車では唯一の形式となります。ホキ8300形式とほぼ同一設計で、塗装色はホキ8300形式登場時と同じ黒色です。平成8年に形式消滅しています。
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| オホキ9300(4位側):伏木海陸運送 |
ホキ9500形式35t積み石灰石専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 10000mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2870mm | 台 車 | TR213形式 | 特殊標記符号 | |
| 全 高 | 2498mm | 専用種別 | 砕石、石灰石 | 化成品分類番号 | |
新東京国際空港(現:成田国際空港)建設工事用として、新東京国際空港公団が昭和45年に193両製作したホッパ車です。登場時は砕石専用で、砕石専用ホッパ車として初めての形式であり、私有貨車では初めて赤3号を採用した最初の形式でもあります。建設工事が終了すると、セメント会社等へ譲渡、転用され、石灰石専用車になりました。
外観、構造は国鉄所有のホキ2500形式中期型と同じで、荷卸しを容易にする為、圧縮空気を用いた開き戸の開閉を行います。ブレーキ方式や台車も同じで、ASD方式、TR213形式を履いています。
JR貨物へ移行し、1990年代に入りホキ2500形式の編入車や平成8年に26年ぶりの新製車が登場しています。
全国各地で活躍をしていましたが、セメント需要の低下や車輛の老朽化、運用の終了で数を減らしつづけています。
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| ホキ9553(3-1位側):奥多摩工業 | ホキ9722(3-1位側):奥多摩工業 |
ホキ9500~9692
空港建設用に新製されたグループです。建設時は砕石専用となっていました。所有者は新東京国際空港公団で、建設を反対する勢力からの妨害活動や破壊活動から車輛を守る為、社名や専用種別は表記されていませんでした。(公団の社紋だけは記されていたそうです。)建設後はセメント会社を中心に転用や譲渡が行われています。
ホキ9693~9783
平成8年に登場したグループです。書類上は新製車の扱いですが、JR貨物所有ホキ2500形式に更新工事を施し、本形式に編入したものです。台車は新品のTR213-1C形式を履いています。
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| ホキ9713(2-4位側):矢橋工業 | ホキ9705(4位側):矢橋工業 |
ホキ9693~9783
ホキ2500形式の中には初期型となる車輛もあり、叩き板がそのまま残されている車輛もあります。なお、中京地区で使用される車輛の中には焼結鉱用の粉末状になった石灰石を輸送しており、飛散防止の為、天蓋が設けられています。
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| ホキ19500(2-4位側):矢橋工業 |
ホキ19500~19502
平成8年に登場した26年ぶりとなる新製車のグループです。JR貨物所有ホキ2500形式の更新工事により車輛不足が予想される事から、予備車として3両製作されました。19500番のみ台車は灰色で、残る2両は黒色となります。
ホキ9800形式30t積み麦芽専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 12700mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2962mm | 台 車 | TR41E形式、TR213C形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 3880mm | 専用種別 | 麦芽 | 化成品分類番号 | |
昭和47年に登場し、55両製作されたホッパ車です。ホキ6600形式25t積み車の拡大形式になります。国鉄所有のホキ2200形式の不足により、私有貨車として新製されたもの。見掛けはホキ2200形式をベースに設計されたホキ8300形式に遮熱板を設置した姿となっています。
前期車33両(ホキ9800~9832番)は登場時は黒色でしたが、品質を良くする為、昭和53年にクリーム4号に変更しています。台車は前期車はTR41E形式、後期車はTR213C形式を履いています。台車の他に細部が前期車と後期車で異なります。
輸入した麦芽を工場まで輸送していましたが、平成10年に形式消滅しています。
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| オホキ9812(2位側):キリンビール | オホキ9846(3位側):キリンビール |
ホキ10000形式35t積み石炭専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 13900mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2700mm | 台 車 | TR213C形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 3290mm | 専用種別 | 石炭 | 化成品分類番号 | |
昭和50年代、全国をパニックに陥れたオイルショック。原油価格高騰によりセメント業界では製造用に使う燃料を重油から石炭い転換する事になり、その石炭を輸送する目的で昭和55年に登場したホッパ車です。272両が製作されました。
本形式を製作するにあたり、石炭車かホッパ車かの議論が行われましたが、国鉄が石炭車の私有貨車を認めなかった事により、ホッパ車に分類されています。
海外で見掛けられるホッパ車の形態で、ホッパ部は1室構造ですが、途中で長手方向に分割、底部で左右に分割する構造となっており、妻面部には荷卸しを促進する為のバイブレーターが設置されています。底部の荷卸し扉は空気圧により遠隔操作が可能な構造となっています。
平成12年に97両が中部国際空港建設の為、専用種別を石灰石に変更しています。建設終了後、30両は復帰しましたが、残りはそのまま活躍しました。令和2年、扇町駅と三ヶ尻駅で運転されていた石炭輸送が終了し、我が国の石炭輸送の歴史に幕を閉じています。
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| オホキ10007(3位側):チチブセメント | オホキ10103(2位側):チチブセメント |
石炭専用とする車輛の様子です。
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| オホキ10248(1位側):太平洋セメント | オホキ10002(4位側):太平洋セメント |
石灰石専用とする車輛の様子です。
ホキ34200形式28t積み石灰石専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 8750mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2720mm | 台 車 | TR41C形式 | 特殊標記符号 | ロ |
| 全 高 | 2750mm | 専用種別 | 石灰石 | 化成品分類番号 | |
ホキ34200形式の登場は昭和34年に登場し、128両製作されたホキ4200形式に始まります。30t積みの石灰石専用ホッパ車で、黒色の貨車でした。昭和43年10月(ヨンサントウ)にて、高速化不適合車となり運転最高速度65km/h以下の指定を受け、側面に黄色の帯を配すると共に、特殊標記符号「ロ」が付きました。
ホキ4200形式を所有し、運用する奥多摩工業では青梅線、南武線で石灰石から出る粉じんの問題を受け、解決するよう求められました。そこで、昭和51年に所有する110両のうち、93両に対してアルミニウム合金製(一部、鋼製)の蓋を設置する事にしました。蓋の設置により自重が増加した等の理由で荷重を28tに減トンし、形式をホキ34200形式に改称しました。
当初は原番号に30000番を加えていましたが、途中から番号を整理している為、多数の欠番があります。平成6年に形式消滅しています。
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| ロホキ34274(2位側):奥多摩工業 |
ホキ1000形式35t積みフライアッシュ及び炭酸カルシウム専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 14500mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2948mm | 台 車 | TR213B又はC形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 4058mm | 専用種別 | フライアッシュ及び炭酸カルシウム | 化成品分類番号 | |
ホッパ車やタンク車で往路と復路で異なる積荷を積載する「複数積荷兼用車」という、輸送効率向上を図れる構想があり、かつて試作車までは辿り着いたものの。構造等が複雑な上、車輛コストが高くなる。という難題があり、実現を見ずにいました。その中、火力発電所で発生するフライアッシュをセメント工場へ運び、セメント工場で石灰石を粉末状にした炭酸カルシウムを鉄道輸送する事が決まりました。当初は既存のセメント専用車を使用する予定でしたが、比重の違いで想定した荷重が積めず、本形式の開発に至りました。平成2年に我が国初の複数積荷兼用車、実用化第1号として本形式が登場しました。
車体は15m級の大型ホッパ車で、容積を得る為、車体限界一杯まで大きくしたかまぼこ型のホッパが特徴です。荷役方式はエアスライド方式。塗装は薄い灰色で、青い帯が巻かれています。
後継形式は運転最高速度を改善するなどのモデルチェンジを図ったホキ1100形式で、本形式は令和3年に運用を終了し、形式消滅しています。
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| オホキ1000-1(3位側):小野田セメント | オホキ1000-901(4位側):太平洋セメント |
平成2年に登場した試作車。登場時はホキ1000-1(初代)を名乗っていました。量産車が登場し、901番に変更しています。
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| オホキ1000-27(3位側):太平洋セメント | オホキ1000-8(4位側):太平洋セメント |
試作車の試験を終え、量産車が製作されました。試作車とは細部が異なります。所有者は小野田セメントで、秩父小野田セメントを経て、太平洋セメントに社名が変更されています。小野田セメントの表記は平成20年まで、以降は太平洋セメントに変更されています。
ホキ1100形式35t積みフライアッシュ及び炭酸カルシウム専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 14500mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2948mm | 台 車 | TR213G形式 | 特殊標記符号 | オ |
| 全 高 | 4058mm | 専用種別 | フライアッシュ及び炭酸カルシウム | 化成品分類番号 | |
ホキ1000形式の老朽化に伴い、置換え用として平成27年に登場した形式です。ホキ1000形式とほぼ同じですが、台車は運転最高速度を95km/hとしたTR213G形式としています。1番は先行試作車で、2番以降が量産車となります。令和元年までに23両が製作されています。
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| オホキ1100-10(3-1位側):太平洋セメント |
ホキ2000形式35t積み石灰石専用ホッパ車
| 諸 元 | |||||
| 全 長 | 10000mm | 走り装置 | その他 | ||
| 全 幅 | 2870mm | 台 車 | TR213E形式 | 特殊標記符号 | |
| 全 高 | 2498mm | 専用種別 | 石灰石 | 化成品分類番号 | |
矢橋工業所有のホキ9500形式老朽化に伴い、平成23年に新製されたホッパ車で41両製作されました。1番は先行試作車で、2番以降が量産車となっています。平成8年に登場したホキ9500形式10000番代と同一の設計で、飛散防止のカバーが設置されています。台車は軸受の改良やブレーキ力を強化し、運転最高速度を95km/hとしたTR213E形式を履いています。尚、車輪には重量増加を抑える目的で浪打車輪が採用されています。これはJR貨物の貨車では初めての採用となります。
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