私有コンテナのページ(新制度 タンクコンテナUT2C~UT4F形式)

昭和62年、国鉄からJR貨物へ移行し、コンテナの形式は新しい記号や付番に変わりました。旧制度では非危険品と危険品の区分でしたが、新制度では内容積(無蓋コンテナは床面積)による形式になり、続くアルファベットや個体番号に大きさなどの仕様を表記する方法となっています。

タンクコンテナ(ホッパーコンテナ)の名称
本編では専門的な用語が出てきます。タンクコンテナ、ホッパーコンテナでは有蓋コンテナや無蓋コンテナとは異なる各部の名称が出てきます。別のページでも紹介していますタンク車やホッパー車も同じですので、覚えて下さいね。
 

タンク体(たんくたい)
タンクコンテナ及びホッパーコンテナの貨物を積込む場所。タンクコンテナの基本断面スタイルは円筒ですが、楕円などもあります。材質は積荷が反応しない材質を使います。通常は鉄ですが、腐食性のある物質ではステンレスやアルミニウムなどが使われます。また、高圧ガスであれば、圧力容器としての設計となり、指定された塗装色となる場合もあります。
この他に、保温や熱の影響を避けるために、タンク体に一部又は全体に遮熱板(
キセやジャケットと言います。)を装備させたり、外観からはわかりませんが二重構造とし、その間に保温材を充填して熱を避ける方法などがあります。また、タンク内部に管を張り巡らせ、高温蒸気などを注入し、凝固する事を防ぐ場合もあります。

受台(うけだい)
タンク体を受け止める重要な部品。片側に2~3個設置されます。

踏板(ふみいた)
ランボードとも言われるもので、タンク体上部に設置されている、作業には欠かせない部品。

マンホール(まんほーる)
貨物を積込んだり、取り出す場所。必要に応じて、その他の操作機器なども設置されています。

吐出弁(としゅつべん)
タンク体に積み込んだ貨物を取出す弁。構造上、コンテナは後位側に設置され、タンク車では台枠下部中央に設置されるのが基本となっています。

荷役方式について
貨物の積み降ろし方法ですが、タンクコンテナやタンク車は様々な貨物を運んでおり、その中には危険物やガスも数多くあり、貨物の特性に応じた方法が用いられます。ここでは、基本的な荷役方式を紹介しましょう。

上入れ下出し方式

タンク体上部のマンホールから貨物を積み入れ、吐出弁から取出す方式。非危険品や危険度の低い化成品や石油製品など、万が一漏れ出ても危険度合が小さい貨物に多く用いられます。吐出弁はコンテナは後位側に設置され、タンク車は衝突事故の際、最も安全な中央部に設置されます。

上入れ上出し方式

強酸性や反応に富む化成品など危険度合が高い物質では、漏えい防止も兼ねて、最も安全な場所となるタンク体上部で出し入れを行います。高圧ガスなど機密性が高く求められる場合などの場合は、タンク体の妻面部に機器や配管設備を設置し、そこから出し入れする場合もあります。
この他に物質によっては、このような荷役方式があります。
粘性が高いものや粉粒体の場合
真空吸引で吸い出す方法や、空気加圧により押し出したり、底部に吹きつけ抵抗を減らし、流動を促進させる方法で行います。
反応に富む物質の場合(空気の場合)
空気に触れると反応を起こす物質については、水やその物質との相性が良い液状の物質を用いて遮断した状態にする。(例:二硫化炭素はタンク内に常に一定の水を入れておきます。二硫化炭素は水より重いので、沈みます。)この他に、別の物質と混ぜる事で、反応しない状態にする方法などがあります。
粉粒体で反応に富む物質の場合
いわゆる、粉塵爆発を起こす(起こし易い)物質は、水などに溶かした状態で輸送する場合が多いようです。
その他
金属ナトリウムのように水も反応を起こすような物質の場合は、物質を溶かし積載。冷却させ凝固した後に輸送。取出す際は再加熱し溶かして取出す。というものがあります。

気になる専用種別がありましたら、こちらをクリックして下さい。 → 専用種別 説明ページ

UT2C形式12ftタンクコンテナ

  
 UT2C-5(3位側):日曹金属化学
無水硫酸専用(侵(禁水84))

タンクコンテナでは最小値となる、内容積2㎥のコンテナです。UT2形式は危険品を意味する「C」のみの存在で、6個のうち無水硫酸専用のコンテナは3~6番の4個となります。

UT3C形式12ftタンクコンテナ

国鉄時代に登場したUT3形式とは別の形式で、内容積が3㎥の危険品を意味する「C」の形式であり重複していません。26個製作されています。

   
UT3C-9(1位側):日本陸運産業
四塩化珪素専用(侵81)
UT3C-20(4位側):三菱化学物流
EL硝酸専用(侵(禁水)84)

個体の積荷の危険度合に保護枠のあるものと無いものがあります。危険物を扱うコンテナの荷役方式は上入れ上出しが基本で、マンホール回りが重厚に設計されています。

 
 UT3C-26(1位側):住友精化
塩化チオニ-ル専用(侵(禁水)84)

小さなタンク体に保護枠でがっちり守られ、その空間の大きさから、危険物を運んでいる事がわかります。

UT03C形式20ftタンクコンテナ

UT03形式、03?不思議な形式名ですが、内容積は3㎥です。なので形式が「3」となります。しかし、このコンテナは20ftクラスであり、12ftクラスと一緒にしてしまうと判別が難しくなり、誤りの原因となってしまいます。回避するため20ftクラスのタンクコンテナは0を追加し、「03」となっています。20ftクラスでは最も小さい内容積を持つ形式となります。

   
 UT03C-5001(3位側):日本陸運産業
臭素専用(侵毒86)
UT03C-5007(3位側):東ソー物流
臭素専用(侵毒86)

本形式は臭素専用コンテナのみで、5000番代のみとなっています。5001~5010の10個製作されました。5001番はマンホールの形状、はしごが1-3位側中央に垂直なものが1本あるスタイルです。5002~はマンホールの形状が変わった他、はしごの設置位置が内側に移動しています。

 
 UT03C-5010(4位側):東ソー物流
臭素専用(侵毒86)

本形式のラストナンバー。斜めのはしごが増えています。

UT4A形式12ftタンクコンテナ

普通品(非危険品)を積荷とする「A」の形式です。

   
UT4A-5(4位側):味の素
調味液専用
UT4A-16(2位側):味の素
調味液専用

タム5000形式などで知られる味の素所有のタンクコンテナ。ファンの間でタム5000形式を「味タム」と呼んでおり、こちらは「味コン」と呼ぶらしい。
5番は初期ロットで、マンホールへ至るはしごは1-3位側にあり、形式表記はタンク体に書かれています。16番は2次グループで、灰色が白色に変更されたほか、はしごの位置が2-4位側に変更、形式表記を2位側にある板に書くようになりました。

 
 UT4A-57(1位側):味の素
調味液専用

最終ロットのグループで、クレーン荷役用のフックが変更されています。

   
 UT4A-58(4位側):参松工業
水飴専用
 UT4A-62(1位側):向後スターチ
水飴専用

水飴専用の個体で、62番(ラストナンバー)は参松工業からの譲渡との事。同じロットで1-3位側にははしごが無いのがわかります。

UT4C形式12ftタンクコンテナ

危険品を積荷とする「C」の形式です。160個以上が製作されています。

   
 UT4C-5(1-3位側):日本石油輸送
潤滑油専用(93)
UT4C-6(3位側):日本石油輸送
メラミン樹脂専用(93)

この2つは同じ所有者の個体で、タンク体などは同じ設計のように見えます。しかし、積荷に変わると粘度があるものなどがあり、空気加圧などを行うポンプの設置など仕様が異なるのがわかります。メラミン樹脂専用の個体は6と33番の2個です。

   
UT4C-25(3位側):モートン・チオコール
SBH苛性ソーダ水溶液専用(侵(禁水)84)
UT4C-26(2-4位側):モートン・チオコール
SBH苛性ソーダ水溶液専用(侵(禁水)84)

日本陸運産業(現:日陸)所有、借受会社はモートン・チオコールです、前位側にマンホールがある特徴的なスタイルとなっています。25~28番の4個あります。
積荷の説明ですが、水酸化ホウ素ナトリウム(SBH)をご覧下さい。

   
 UT4C-11(2位側):大分ケミカル
アクロレイン専用(燃毒36)
UT4C-31(2位側):新日本石油
潤滑油専用(93)

UT4C-11:大分ケミカル所有であったアクロレイン専用の個体。7~19、101~119番を所有していました。
UT4C-31:腰高な位置にタンク体があるのが特徴の個体です。日本石油輸送が所有し、新日本石油が借受会社となっています。

   
UT4C-45(1位側):日立化成工業
不飽和ポリエステル樹脂専用(燃30)
UT4C-55(3位側):日本石油輸送
MDI専用(毒61)

UT4C-45:45~47をはじめ12個製作された個体。キセで覆われているようで、ずんぐりとした形が特徴です。
UT4C-55:本形式では1個だけの専用種別の個体です。
UT4C-55の積荷の説明ですが、ジフェニルメタンジイソシアネートをご覧下さい。

   
UT4C-66(1-3位側):三井化学
TDI専用(毒61)
UT4C-147(1位側):森田化学工業
フッ化水素酸専用(侵毒86)

UT4C-66:58~70番を所有しています。化成品タンクコンテナの標準的なスタイルです。
UT4C-147:日本陸運産業が所有し、森田化学工業が借受会社となっています。機器箱が設置され、幾つかの配管がメカニカルなスタイルです。
UT4C-66の積荷の説明ですが、トルエンジイソシアネートをご覧下さい。

   
UT4C-153(3位側):東洋インキ
印刷用インキ専用(93)
UT4C-161(4位側):中央通運
メチルトリクロロシラン(KA-13)専用(燃侵38)

UT4C-153:メカニカルなコンテナとして人気がある印刷用インキ用のタンクコンテナ。
UT4C-161:登場時はトリメチルクロロシラン専用であったが、種別変更し、現在は変更となっています。

UT4F形式12ftタンクコンテナ

UT4F-2(1位側):山九
DMI専用(93)

UT4F形式の「F」とは、予め届け出た複数種類の貨物を所有者の任意で輸送が可能である事を示すもので、Fは危険品の複数種類を輸送するもの。1番と2番の2個が製作されました。楕円形の断面形状をしたタンク体が特徴です。
積荷の説明ですが、ジメチルイソソルビドをご覧下さい。







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