私有コンテナのページ(旧制度 無蓋・タンク・ホッパーコンテナ)

昭和45年に私有コンテナ制度が始まり、昭和62年JR貨物発足後までに登録された旧制度のコンテナを紹介します。あわせて、それぞれのコンテナを説明しましょう。

無蓋コンテナ

無蓋コンテナの「無蓋(むがい)」とは何でしょう。蓋が無いという意味ですが、蓋は屋根の事を意味し、屋根の無いコンテナという事です。区分すると大きく2つに分けられ、1つは有蓋コンテナに収まらない貨物、鉱石など屋根を設ける必要のない貨物などを運ぶもので、ISOコンテナでは「オープン・トップ・コンテナ」や「フラットラック・コンテナ」と呼ばれているもの。もう一つは、規格外のコンテナなどを運ぶ際にアダプターの役割をするコンテナで、見た目は枠や支柱もなく、フラット(真っ平)です。
主力は前者であり、屋根が無いものと言いつつ、貨物が水分を嫌うものであったり、飛散防止を目的に屋根を持つものが多く見られます。

気になる専用種別に意味はこちらをクリックしてください →  専用種別一覧表

UM1形式12ft5t積み有蓋コンテナ

   
 UM1-91他:東ソー・アクゾ
三塩化チタニウム専用(侵80)
 UM1-114(2位側):東ソー物流
アルキルアルミニウム専用(禁水44)

昭和46年に登場した形式で、119個製造されました。所有者により天井をスライドさせるものや、屋根が着脱出来るものなどがありました。2つの写真は「親子タイプ」と呼ばれるもので、危険物を輸送するために平な荷台(親)を用意。床面に特殊な緊締装置を設置し、危険物の容器(子)を載せる方法となっています。

積荷の説明
UM1-91 三塩化チタニウム・・・三塩化チタンで記載しています。

UM5形式20ft無蓋コンテナ

 
 UM5-76(2位側):新潟東洋埠頭

昭和45年に登場した形式で、私有無蓋コンテナでは初めての形式です。0番代が78個、特定大口会社向けの1000番代が32個製作されました。
タイプとして、箱型と呼ばれる有蓋コンテナに似た屋根のないものと、写真の平型と呼ばれる2つが使われていました。

タンクコンテナ

タンクコンテナとは何でしょう。貨物のうち、液体や気体を輸送する時に使われるもので、円筒又は楕円形のタンク(tank)を持つコンテナをタンクコンテナと言います。一口に液体、気体といっても、その種類は様々あり、百花繚乱の様相です。油、化成品、食品の原料など多々あり、性質では危険物と非危険物の2種類、保温や加温が必要なものなどと幾多も異なる点があり、それぞれに応じた設備や性能などがあるため、色々な形のタンクコンテナがあります。
荷役方式も様々で、積荷自身を流し込み入れ、出すものや空気や窒素などを用いて圧力をかけて行うものなどこれも多種多様に存在しています。

UT1形式12ft5t積みタンクコンテナ

昭和45年に登場した私有タンクコンテナ第1号の形式で、12ftコンテナの非危険物タンクコンテナとなります。基本的には液体ですが、僅かながら化成品の粉体もありました。また、食品類も多数存在をしているのも特徴です。698個製作されましたが、現在でも活躍している個体もあります。

   
 UT1-53(4位側):ゴードー
(水飴専用)
 UT1-153(2位側):昭和電工
(ポリゾール®専用)

タンク体にクレーンフックがついていますが、これはフォークリフト以外のクレーンによる荷役に対応したもの。

   
 UT1-213(1位側):昭和電工
ポリゾール®専用
 UT1-229(1位側):昭和電工
ポリゾール®専用

現役で活躍中のUT1形式として昭和電工所有の個体があります。製造ロットにより、キセの大きさやクレーンフックの位置などが異なっています。タンク体は更新工事を受けており、原型は残っていない模様です。

積荷の説明
ポリゾール®(POLYSOL)・・・昭和電工(株)の商品名。水を媒体とした環境負荷の低い接着剤。使用用途に応じて、酢酸ビニル系、アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系があります。

   
 UT1-213(2-4位側):日曹丸善ケミカル
(ポゾリス®専用)
 UT1-285(3位側):エヌエムビー
(ポゾリス®専用)

積荷の説明
ポゾリス®・・・コンクリートの強度や耐久性の向上、固まる速度の調整などを目的にコンクリートに混ぜる薬剤を混和剤と言い、ポゾリスは混和剤の一つである減水剤というもの。減水剤とはセメントの流動性を高めるものである。

   
 UT1-456(2-4位側):信越化学
(塩化ビニル樹脂専用)
 UT1-519(1位側):AFT(味の素ファインテクノ)
(塩化パラフィン液専用)

写真左は数が少ない、粉体の貨物を運ぶ個体で、とある模型製品で見かけました。写真右は標準的なスタイルを持つ個体です。

   
 UT1-520(4位側):三工
(塩化パラフィン液専用)
 UT1-581(4位側):大同化成工業
(ポリアクリル酸ソーダ水溶液専用)

写真左はUT1-519と同じロッドのもの。UT1形式は非危険物のものであるため、積荷は異なりながらも似たスタイルを有しています。

   
 UT1-600(2-4位側):日本エイアンドエル
(ラテックス専用)
 UT1-636(3位側):宝酒造
(酒類専用)

12ftコンテナは小口輸送に重宝されており、所有者の中には丁寧に使い続けている場合も多く、末永い活躍を期待したいですね。

UT3形式12ft5t積みタンクコンテナ

UT1形式と同じく昭和45年に登場した私有タンクコンテナです。UT1形式が普通品(非危険品)であるのに対し、本形式は危険品を積荷としたもので、外観上は似たものも多くあります。一つの違いとして、化成品分類番号が表記されています。危険品なため、経年劣化、耐久年数の関係から多くが消滅し、登録も既に終了している事から、形式消滅も近いようです。

   
 UT3-128(2位側):大分ケミカル
(アクロレイン専用:燃毒36)
 UT3-277(2位側):ダイセル化学工業
(アクロレイン専用:燃毒36)

同じ積荷でも所有者や借受使用者により、枠のある個体やそうではない個体があります。

   
 UT3-301(4位側):徳山石油化学
(テトラヒドロフラン専用:燃31)
 UT3-318(2位側):川口化学工業
(トリノニルフェニルホスファイト専用:93)

化成品コンテナらしく、重厚な上回りが特徴です。UT3-318はキセのあるタイプです。

   
 UT3-333(2位側):菱成産業
(可塑剤専用:93)
 UT3-400(2位側):日本石油輸送
(メチルジグリコール専用:93)

   
 UT3-381(2-4位側):クラレ
(テルペン専用:93)
 UT3-434(4位側):東洋インキ
(印刷用インキ専用:93)

写真右の434番は昭和62年に2個製作されたもので、UT3形式の最終ロットでもあります。2個製作され、434、435になるのですが、434番のみが2つ製造。これは鉄道界では「二個現存」という、同じものが2つ以上存在するミスです。が、もう一つは434-1という番号が与えられ、本形式、コンテナの最大のミステリーとなっています。

UT5形式20ft10t積みタンクコンテナ

昭和53年に登場したタンクコンテナで、UT1形式の拡大形式にあたります。非危険物用のタンクコンテナで、液体の他、圧縮空気を用いた荷役方式の粉体用があります。

0番代

   
 UT5-7(1位側):呉羽化学工業
(塩化ビニリデン樹脂専用)
 UT5-5(4位側):呉羽化学工業
(塩化ビニリデン樹脂専用)

粉体用のタンクコンテナで、2-4位側を見ると荷役設備が確認出来ます。5~9番の5個が活躍しています。

 
 UT5-6(2位側):呉羽化学工業
(塩化ビニリデン樹脂専用)

現在では白と青色の二色ですが、かつては写真のように呉羽化学工業の商品名などの装飾が施されていました。

5000番代

 
 UT5-5002(1位側):日本石油輸送
(無水マレイン酸専用)

総重量が12.4t~13.5tの間になる事から、5000番代に区分されたもの。昭和62年に4個製作されました。

UT6形式22.5ft10t積みタンクコンテナ

   
 UT6-25004(1位側):日本陸運産業
(塩化ビニル樹脂専用)
 UT6-25007(2位側):日本陸運産業
(塩化ビニル樹脂専用)

昭和61年に登場した20ft級の非危険品用タンクコンテナです。大きさを22.5ftの特殊サイズとしたため、25000番代の番代区分が行われています。登録されたのは粉体用で、圧縮空気を用いた荷役方式のものとなり、25001~25007の7個が製作されました。

UT9形式20ft10t積みタンクコンテナ

昭和59年に登場した形式で、危険品用20ftタンクコンテナとなっています。22個製作されました。

 
 UT9-7(3位側):日本陸運産業
(オルソクレゾール専用:毒61)

ホッパーコンテナ

ISOコンテナでは「バルクコンテナ」とも言われるコンテナで、穀類や粉体又は粒状の貨物を運ぶのに用いられます。貨物をコンテナ上部から積み込む構造で、取り出す方法は積荷の自重で落下又はコンテナを傾斜させ落下させる「自然落下式」、圧縮空気を用いた「圧縮空気圧式」、吸引する「吸引式」が主にあります。このうち、自然落下式を採用している(自重で落下するもの)はホッパー(hopper)と呼ばれる漏斗状の形状になっています。

UH1形式12ft5t積みホッパーコンテナ

昭和46年に登場した私有ホッパーコンテナの第1号形式です。国鉄所有のH10形式の増備形式にあたり、普通品(非危険品)用となります。(危険品用としてUH3形式というものがありました。)ビニル系樹脂を専用とするコンテナを中心に800個以上が製作されました。

   
 UH1-100(1位側):三菱サンモント化成
(ポリスチレン専用)
 UH1-774(3位側):帝人
(ポリエチレンテレフタレート専用)

漏斗状のホッパを備え、下へ落下させる方式がホッパーコンテナの特徴となっています。

UH5形式20ft10t積みホッパーコンテナ

昭和52年に登場した形式で、UH1形式の拡大形式となります。荷役方式は自然落下式ですが、ダンプトラックのように傾斜をさせて取出します。

   
  UH5-84(1位側):三菱化学物流
(ポリエチレン専用)
 UH5-18(4位側):日本石油輸送
(ポリプロピレン又はポリエチレン専用)

初期の個体(写真右)と後期の個体(写真左)とでは、脚に違いがあります。




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