タンク車の紹介はまだまだ続きますよ。

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※上の写真をクリックしますと、それぞれのタンク車のお部屋へ進みます。

タンク車の紹介の前に。
たくさん紹介するので、下記のように少し省略して説明をしますので、予めご了承下さい。
①全長 ②全幅 ③全高 ④走り装置又は台車形式 ⑤特殊標記符号 ⑥化成品分類番号
※同一形式で2つ以上ある場合は、2つ目以降は省略しています。

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タキ9250形式30t積みアセトアルデヒド専用タンク車(タキ9263)

① 15000mm ② 2500mm ③ 3770mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃32
昭和42年から50年にかけて22両が製作されたアセトアルデヒド専用タンク車です。タキ6850形式に次いで2番目に登場しました。タキ6850形式とはほぼ同じなのですが、何故形式変更に至ったのか理由は謎です。
15m級の貨車としては大型の部類で、保冷用キセを装備しています。タンク体上部には配管や弁装置類を保護する箱型のプロテクターがあります。最後の車輛である71は保安対策車で、空容積を増加させたため、タンク体が延長、これに合わせて台枠も延長されています。また、唯一の手ブレーキを装備し、台車はTR225形式でした。平成16年に形式消滅しています。
積荷の説明
アセトアルデヒド(acetaldehyde)…化学式CO、融点-124℃、沸点21℃の青臭い刺激臭を持つ無色引火性液体で有毒。アルデヒドの一つで、エタナール、酢酸アルデヒドなどの呼び方もあります。容易に揮発するほか、引火点は-39℃であり、引火し易いのが特徴です。自然界でも存在し、果実などに含まれています。身近な物として、二日酔いの原因となる物質として知られるほか、シックハウス症候群の原因物質ともなっています。工業では石油化学製品の一つで、酢酸や酢酸系薬品の原料に主に利用されています。

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タキ9550形式35t積みガソリン専用タンク車(タキ9551)

① 13320mm ② 2740mm ③ 3870mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃32
35t積みガソリン専用タンク車として、タキ9900形式、タキ9750形式に次ぐ、3番目の形式として昭和41年に2両が製作されました。タキ9900形式を基礎とする99系タンク車の欠点を改良すべく、日本車輌が開発した軽量35t積み車の試作車として製作されたため、2両の製作のみとなっています。
11系タンク車に見られる異径胴タンク体と軽量台枠を組み合わせたもので、タキ9900形式に台枠を付けたようなスタイルです。対応する石油類専用タンク車はタキ9650形式です。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その6 タキ43000形式をご覧下さい。

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タキ9750形式35t積みガソリン専用タンク車(タキ9768)

① 14300mm ② 2510mm ③ 3881mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃32
35t積みガソリン専用タンク車ではタキ9900形式に次いで登場した形式で、昭和37年から41年にかけて19両が製作されました。タキ3000形式30t積み車の拡大形式で、汽車会社が開発した10系タンク車(汽車型軽量35t車)の始まるとなる形式でもあります。異径胴やフレームレスといった特殊な構造を採用せず、タンク体を太くして長さを抑え、側梁省略とする事で軽量化を図っています。タキ9750のみストレートタンク体ですが、タキ9751以降は両端が絞られた独特のタンク体を搭載しています。石油類専用タンク車はタキ10000形式。平成13年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その6 タキ43000形式をご覧下さい。

タキ9800形式35t積み石油類専用タンク車
① 12020mm ② 2740mm ③ 3876mm ④TR41C形式、TR209形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ1500形式35t積み車に次いで、2番目に登場した形式で昭和37年から41年にかけて496両が製作されました。タキ9900形式99系タンク車の石油類仕様となり、C重油などの高比重、高粘度の石油類を輸送するため、タキ9900形式よりタンク体は短い。タンク端部には大型の点検蓋、積荷の流動性を良くするためにタンク内部には高圧蒸気を使用した加熱管が設置されています。
車体はタキ9900形式と同じく、中央部の径が最も太く、両端部を円錐状のつくりとした「魚腹型異径胴タンク体」としており、その元祖はタキ50000形式50系タンク車です。車体を軽量化するため、側梁を省略し、強度を持たせたタンク体と一体化させたフレームレス構造となっています。
重油類の需要が減少し、余剰車が発生するとタキ42750形式やタキ6450形式への改造車も発生しています。この他、特殊な油を少量輸送するための多室構造の変形車も存在していました。平成20年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その6 タキ43000形式をご覧下さい。

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タキ9827

初期の量産車です。タンク体にあるドームに特徴があり、こんもりと盛り上がった様子から「玉ねぎドーム」という愛称がありました。写真の車輛は台車をTR41C形式からコロ軸のTR209形式へ履き替えています。

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タキ29890

一般的に多く見られた標準的なスタイルです。この車輛はA重油を輸送していました。

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タキ9856

点検蓋、加熱管のある側から見た様子。タンク体に1本の加熱管があり、高圧蒸気をタンク内に送り込みます。

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タキ19876

こちらは加熱管が2本になっているタイプ。蒸気を早くタンク内に送り込み、積卸時間を早くしようとしたのでしょうか。また、この車輛は99系タンク車の欠点の1つである、軸箱に雨水が侵入してしまう問題を解決するために、雨除け板を増設しています。

タキ9900形式35t積みガソリン専用タンク車
① 13320mm ② 2740mm ③ 3896mm ④TR41C形式、TR209形式 ⑤なし ⑥燃32
ガソリン専用タンク車では初めての35t積み車で、昭和37年から41年にかけて546両が製作されました。特徴は異径胴タンク体の採用で、昭和35年に登場したタキ50000形式50t積みガソリン専用タンク車で採用された異径胴タンク体と新しく開発したフレームレス構造を組み合わせたもので、軽量化と車体長を抑える目的を達成しています。対応する石油類車はタキ9800形式です。共に99系タンク車として称され、多数の派生形式を登場させました。
タキ3000形式やタキ1500形式に代わり、タキ9900形式、タキ9800形式は大量に製作されましたが、タンク形状が複雑で、工程が嵩む他に、台枠構造を起因とする、台車軸受へ雨水が浸入する保守面での欠点もありました。また、他社が対抗すべく新形式を開発し、多種多様な車種が出てしまい、これらの問題を解決し、昭和41年に登場したタキ35000形式へと移行していくことになります。平成20年(貨物用)に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その6 タキ43000形式をご覧下さい。

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タキ9913

初期のタキ9900形式。ドーム部がこんもり盛り上がった「玉ねぎドーム」です。メンテナンス軽減のため、台車をTR209形式に履き替えています。

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タキ39988

ポピュラーなスタイルの例です。多数のロットがありますが、あまり大きな変化はなく、方々でよく見られた事から「雑魚タキ」なんて言われていた時代も懐かしい。

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JR北海道 タキ39961

JR北海道へ私有貨車から2両だけ籍を移した車輛があります。1両はタキ9900形式、もう1両はタキ42750形式です。夏季におけるレールの膨張対策対策のためにレールに散水をするというもので、遠隔操作により散水が行えるように改造しています。専用種別は「水」に変更になり、水運車の「ミ」になるはずですが、そのままタンク車として使用されました。平成12年から平成26年まで在籍していました。

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タキ10000形式35t積み石油類専用タンク車(タキ10062)

① 12800mm ② 2510mm ③ 3879mm ④TR41C形式、TR41E-13形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ1500形式、タキ9800形式に続いて3番目に登場した35t積み車で、昭和38年から42年にかけて84両、昭和54年に外部加熱方式試作車が1両製作されました。タキ9750形式ガソリン専用タンク車の石油類専用タンク車に当たります。この形式は汽車会社が開発した10系タンク車(軽量35t車)の嚆矢となる一形式で、タンク体を太く設計し、車体長を抑え、台枠は側梁省略とし、中梁はハット形断面のプレス成型品を使用して軽量化を図っている特徴があります。両端がタキ9750形式と同じく絞った変形車もありましたが、平成13年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その6 タキ43000形式をご覧下さい。

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タキ10100形式35t積み二硫化炭素専用タンク車(タキ10108)

① 11300mm ② 2535mm ③ 3866mm ④ TR41C形式、TR225-1形式など ⑤コ ⑥ 燃毒36
タキ5100形式30t積み車の拡大形式で、昭和42年から57年にかけて24両が製作されました。タキ5100形式とはタンク体材質が異なり、耐候性高張力鋼を使用。硫黄分を含む積荷に採用されるのは珍しいそうです。積荷の引火、爆発を防ぐために空積問わず1tの水が積載されています。タキ10108までは側ブレーキ(両側)、10109以降は手ブレーキとなっています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タム200形式をご覧下さい。

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タキ10123

この形式では保安対策で空容積が増え、合わせて台枠が少しずつ延長しています。10108までは10500mm、10113までは10900mm、10116までは11000mm、10117以降は11400mmとなっています。この他、側ブレーキは10108まで、以降は手ブレーキとなっています。

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タキ10450形式32t積み濃硝酸専用タンク車(アコタキ10463)

① 10200mm ② 2590mm ③ 3860mm ④TR41DS-12形式、TR41E-12形式、⑤ア、コ ⑥侵(禁水)84
タキ7500形式を拡大した形式で、昭和43年から49年にかけて24両が製作されました。登場時は35t積み車でしたが、発煙や滴下事故が多発したため、昭和49年より保安対策として減トンされ、32t積みとなっています。タンク体は腐食性のある積荷のため、純アルミ製タンク体で、受台は帯金方式となっています。平成21年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その3 タキ7500形式をご覧下さい。

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タキ10450形式キセ装備改造車(アコタキ10453)

積荷の保冷を目的にキセを追加で装備した車輛があります。国鉄時代にタキ10461に行われました。この際はタンク体にステンレス製のキセを覆うように設置され、液出管、空気管部分は切欠けています。その後、写真のタキ10453が平成7年に改造。こちらはタキ29100形式に行われているキャノピー型キセを装備しています。

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タキ10500形式40t積みアルミナ専用タンク車(タキ10500)

① 13380mm ② 2725mm ③ 3550mm ④TR210A形式 ⑤なし ⑥なし
昭和43年に1両のみ製作されたタンク車です。当時、35t積みアルミナ専用車としてタキ6400形式が増備されていましたが、タンク体材質を普通鋼ではなく、耐蝕アルミニウム合金製として自重の軽量化を図り、同等の大きさでありながら40t積みを実現させました。しかし、アルミ合金は高価であったため1両の製作のみに留まってしまいました。平成7年に形式消滅しています。
積荷の説明
ホッパ車のお部屋 ホキ3000形式をご覧下さい。

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タキ10600形式35t積みセメント専用タンク車(タキ10635)

① 10800mm ② 2720mm ③ 3490mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥なし
昭和43年から46年にかけて70両が製作されました。タキ7300形式を扱う会社の荷役設備がタキ7300形式のエアスライド方式からエアスライドと圧送方式に変更したために登場しました。時節柄、40t積み車が製作されていた中で35t積みで製作したのは、軸重制限を受けないようにしたためと言われています。平成12年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タキ1900形式をご覧下さい。

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タキ10700形式35t積み希硝酸専用タンク車(タキ10702)

① 10100mm ② 2596mm ③ 3827mm ④TR41D形式、TR225形式など ⑤コ ⑥侵81
タキ8100形式の拡大形式として、昭和43年から平成7年にかけて60両が製作されました。キセなしステンレス製タンク体を持っています。保安対策などにより、ロット毎に台枠の長さや台車形式が異なりますが、大別するとドーム付きタンク体とドームレスタンク体の2つの種類がありました。写真は初期の車輛で、ドーム付き、側ブレーキ、台車はTR41C形式を第二次台車改造でTR41D-12形式に変更したものを履いています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その3 タキ7450形式をご覧下さい。

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タキ10736

ドーム付きタンク体の後期になる車輛の例。準保安対策車とも言いましょうか、ドーム廻りなど外観が変化しています。タキ10735以降はTR41E-12形式を履いています。

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タキ10756

タキ10749以降は保安対策車となり、ドームレスタンク体になりました。タンク空容積も増加し、タンク体、台枠が延長されています。タキ10752以降は側ブレーキから手ブレーキへと変更。台車は49~51がTR225形式、52以降はTR213C形式を履いています。

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タキ11000形式35t積み石油類専用タンク車(タキ11005)

① 12020mm ② 2775mm ③ 3904mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃31
35t積み石油類専用タンク車ですが、積荷をC重油輸送用としたキセ付きタンク車で初めての形式で、昭和39年から43年にかけて133両が製作されました。11系タンク車と呼ばれる、日車製軽量35t車の基礎となる形式です。車体はタキ50000形式で実績があり、99系タンク車でも採用された異径胴タンク体と中梁省略台枠を組み合わせたもので、また、タンク体材質に高張力鋼を採用して軽量化を図っている点も特徴(昭和42年以降は耐候性高張力鋼を使用。)となっています。寒冷地向けの車輛で、キセ、蒸気加熱管が装備されています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その6 タキ43000形式をご覧下さい。

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タキ11250形式32t積みアセトアルデヒド専用タンク車(タキ11255)

① 15200mm ② 2728mm ③ 3862mm ④TR225-2形式 ⑤なし ⑥燃32
タキ9250形式の拡大形式で、昭和57年から平成3年までに6両が製作されました。長距離輸送時の保冷性能を改善するためにタキ9250形式よりも倍の厚さとなる断熱材を巻いています。キセ付き38系タンク車で、全長は15m級の大型タンク車でした。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
本ページ タキ9250形式をご覧下さい。

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タキ11350形式31t積み生石灰専用タンク車(タキ11372)

① 10800mm、11100mm ② 2700mm ③ 3644mm、3665mm ④TR41C形式、TR213C形式 ⑤コ ⑥94
私有タンク車では唯一の生石灰専用タンク車で、昭和56年に10両が新製され、昭和58年にタキ11500形式より20両が改造され編入しました。新製車は耐候性高張力鋼を使用したタンク体を持ち、圧送併用エアスライド方式で、台車はTR213形式を履いていました。一方、改造車は荷役装置の改造が主で、台枠や台車などは流用されています。登場から僅か11年、平成4年に形式消滅しています。
積荷の説明
長物車のお部屋 チキ80000形式をご覧下さい。

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タキ11500形式40t積みセメント専用タンク車(タキ11539)

① 11100mm、10800mm ② 2700mm、2720mm ③ 3615mm、3643mm ④ TR41C形式など ⑤コ ⑥なし
タキ1900形式に続いて昭和43年に登場した40t積みセメント専用タンク車で、173両が製作されました。タキ1900形式との違いは荷役方式で、エアスライド方式に圧送方式を併用とするため新形式となっています。タンク体はタキ1900形式と同じくタンク体中心に向かって折れ曲がる異径胴タンク体となっています。所有する会社によって違いが見られたほか、タンク体のスタイルで2種類に大別されており、1つは写真を見て判る通り、補強環があるもの。日立製と日車製の車輛が該当します。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タキ1900形式をご覧下さい。

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タキ11585

もう一つは、補強環の無いタイプ。こちらは川崎、富士重工業製の車輛となっています。

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タキ11600形式35t積みプロピレングリコール専用タンク車(タキ11600)

① 11600mm ② 2476mm ③ 3824mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥ 93
タム7000形式15t積み車の拡大形式として、昭和43年に1両のみ製作されました。昭和62年に専用種別をエチレングリコールに変更し、プロピレングリコール専用車は消滅しています。化成品タンクらしく、タンク体はドームレスのステンレス製で、受台は帯金方式となっています。平成15年に廃車となり、1両のみであるため同時に形式消滅しています。
積荷の説明
プロピレングリコール(propylene glycol)…化学式C、融点-59℃、沸点188℃の無色、無味無臭で吸湿性の強い油状液体。プロパン-1,2-ジオールとも言います。石油化学製品の一つで、保湿剤、乳化剤、不凍液、溶媒などに利用されているほか、保湿性、防カビ性に富むため、医薬品、化粧品、麺やおむすびなど食品の品質改善剤など広く利用されています。

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タキ11800形式35t積み青化ソーダ液専用タンク車(タキ11804)

① 12400mm ② 2600mm ③ 3860mm ④TR41DS-13形式 ⑤なし ⑥毒62
昭和43年から48年にかけて5両が製作されました。登場時は潤滑油添加剤専用タンク車として登場しました。保温キセのあるドームレスタンク体を持つタンク車で、タンク体側面には保護カバーの付いた電気式温度計が設置されており、外観の特徴でもありました。保温にはウレタン材を使用していましたが、高温下での使用によりタンク体を腐食する事が判明し、昭和53年にタンク体を新製し、保温材をグラスウール製に変更しています。
平成8年にタキ11802~4の3両が青化ソーダ液輸送用に改造。加熱管や温度計などが撤去され、タンク内はゴムライニング加工、荷役方式も上入れ下出しから上入れ上出しへ。マンホールやその他機器は保護カバーが設置されるなど、外観が大きく変わりました。平成18年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その5 タキ22900形式をご覧下さい。

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タキ11850形式37t積み塩化第二鉄液専用タンク車(タキ11850)

① 13700mm ② 2631mm ③ 3694mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥98
昭和57年にタキ1500形式を1両改造して登場した形式です。唯一の塩化第二鉄液専用車でもあります。種車の台枠以下を流用し、タンク体は新製で、耐候性高張力鋼を使用し、内面はゴムライニング加工が施され、両端には作業用の蓋が設置されています。平成16年に形式消滅しています。
積荷の説明
塩化第二鉄(えんかだいにてつ:ferric chloride)…組成式FeCl、現在は塩化鉄(Ⅲ)と呼ばれています。潮解性があり、アルコールやエーテルに溶けやすい。鉄道輸送では38%の水溶液で、強酸性及び塩素臭のある液体。電子部品や金属のエッチング、凝集沈降材などに使用されています。

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タキ12200形式40t積みセメント専用タンク車(コタキ12245)

① 10800mm ② 2536mm ③ 3650mm ④TR41C形式など ⑤コ ⑥なし
40t積みセメント専用タンク車ではタキ19000形式に次いで昭和43年に登場した形式です。昭和56年までに134両が製作されました。40t積みセメント専用タンク車は車輛製造メーカー各社が開発していましたが、タキ12200形式は富士重工業が開発した形式で、軽量化を図るため側梁省略とし、台枠とタンク体を一体化したフレームレス構造を採用したほか、タンク体は涙目型(上半分は円筒形、下半分は漏斗形状)の異径胴タンク体が特徴となっています。タキ12200~41まではTR41C形式、42~80はTR41G形式を履いています。現在は形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タキ1900形式をご覧下さい。

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タキ12716

タキ12281~99、12700~28はTR41E-13形式、29~33まではTR213形式を履いています。

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タキ13700形式35t積みアルコール専用タンク車(タキ13709)

① 12010mm ② 2720mm ③ 3860mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ7250形式に次いで登場した形式で、昭和44年から49年にかけて30両が製作されました。タキ7250形式とは同一寸法ですが、タンク体の材質をステンレス製としたことから新形式となりました。登場時は自肌色(銀色)でしたが、後に銀色塗装とされていました。タキ13719までは台車はTR41C形式、20番以降はTR41E-13形式を履いていました。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
鉄道輸送における「アルコール専用」とは「エタノール」を言います。化学(工業)においての「アルコール(Alcohol)とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基(-OH)で置き換えた物質の総称を言います。このヒドロキシ基が結合している炭素原子の数で第一級から第三級アルコールという区別があるほか、炭素数が少ないアルコールを低級アルコール、多いものを高級アルコールと呼んでいます。前者の低級アルコールは無色の液体、後者の高級アルコールは蝋状の個体となっています。
エタノール(ethanol)…化学式CHO、融点-114℃、沸点78℃の香気ある無色の引火性液体で、揮発性、吸湿性が高い特徴があります。人類が認識した最初のアルコールで、エチルアルコール(ethyl alcohol)と言われるほか、お酒の主成分でもある事から酒精(しゅせい)とも呼ばれています。発酵法や石油化学(有機合成法)で生成され、飲用、溶剤、有機合成など広く利用されています。なお、酒類のうちウイスキーや焼酎といった蒸留酒はアルコール専用車で運ばれています。

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タキ13800形式35t積み酒類専用タンク車(タキ13806)

① 11300mm ② 2600mm ③ 3600mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥なし
唯一の酒類専用車として昭和44年に25両が製作されました。タキ13700形式に似ていますが、一回り小さいタンク車です。タキ13700形式と同じく35系タンク車の一つで、上入れ下だし方式の一般的なスタイルでした。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
酒類(しゅるい)…鉄道輸送における酒類とは、日本酒やワインなどの醸造酒を言います。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒はアルコール専用車で輸送されています。

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タキ13802

昭和63年に半数以上の15両(タキ13800~4、7~9、12~17、19)がアルコール専用へと種別変更しました。アルコールは酒類よりも比重が軽いため、荷重は28tとなり、化成品分類番号燃31が表記されています。

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タキ14300形式35t積みノルマルパラフィン専用タンク車(タキ14305)

① 12620mm ② 2720mm ③ 3825mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥なし
ノルマルパラフィン専用車では唯一の形式で昭和43年から昭和45年にかけて7両が製作されました。タキ35000形式の35系タンク車の一つであり、タキ35000形式とは同一寸法であり、加熱管の設置、点検蓋があるのが違いとなっています。平成20年に形式消滅しています。
積荷の説明
ノルマルパラフィン(noromal paraffin)…パラフィン系炭化水素の一つで、灯油に似た物性を持つ無色引火性液体です。融解潜熱や生分解性が高く、蓄熱材や界面活性剤の原料として使用されています。

タキ14700形式30t積み液化酸化エチレン専用タンク車
① 14600mm ② 2500mm ③ 3876mm ④TR41C形式など ⑤なし ⑥燃毒(G)26・3
唯一の液化酸化エチレン専用車で、昭和44年から平成12年までに39両が製作されました。保冷キセ付き高圧ガスタンク車で、容器保安規則(通産省令)によりタンク体は灰色(ねずみ色)に指定されています。タンク体はドームレスで、中央部に見える円筒形ドームはプロテクターで、荷役のための弁類などが収められています。このタンク体は純度を保つためにステンレス製で、高圧ガスタンク車では唯一の採用でもありました。
コンテナ化による輸送形態の変化により、平成22年に形式消滅しています。
積荷の説明
エチレンオキシド(ethylene oxide)…化学式CO、融点-111℃、沸点11℃の常温では刺激臭を伴う無色の引火性気体で、猛毒。高圧ガス取締法の対象で、酸化エチレン、エポキシエタン、オキシラン、オキサシクロプロパン、1,2-エポキシエタンとも言われています。略称はEO。水や有機溶媒によく溶け、空気が無くとも火花や静電気などで爆発する。石油化学製品の一つで、エチレンの酸化によって得られます。有機物質の合成時の中間体、医療機器や精密機器の滅菌、高級洗剤や界面活性剤の原料として使用されています。

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タキ14709

タキ14700~12までは側ブレーキを装備した車輛です。台車は11までがTR41C形式、12のみTR41D-4形式を履いていました。

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タキ14713

タキ14713以降は手ブレーキ仕様に変更され、台枠が延長されています。写真の13番と14番は積空ブレーキが採用されています。高圧ガスタンク車に積空ブレーキを採用する事は珍しい事例として知られていました。

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タキ14722

タキ14715~20の6両にはTR211F形式という台車が使用され、この6両だけが履く珍しい台車でした。21番以降は高圧ガスタンク車標準のTR216A形式が使用され、近代的なスタイルになりました。

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タキ14733

平成に入って製作されたタキ14700形式はさらにスタイリッシュなデザインに変更されています。なお、台車は廃車となった車輛からの再利用が主になっています。

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タキ14800形式35t積みカプロラクタム専用タンク車(タキ14803)

① 11100mm ② 2900mm ③ 3930mm ④ TR41DS-13形式など ⑤コ ⑥90
初めてのカプロラクタム専用車として昭和44年から56年にかけて34両が製作されました。外観では判りにくいですが、35系タンク車の一つで35系タンク車では初めて魚腹形異径胴タンク体を採用しています。保温キセ付きステンレス製タンク体です。昭和49年にウレタン製断熱材の劣化により、タンク体を新製しました。この際、断熱材の素材を変更しますが、積荷の断熱性能を保つため塩素分を減らしたウレタンを使用するとともにタンク体には腐食防止のためエポキシ樹脂塗料を塗っています。(積込温度は80℃、荷卸しをする際は72℃以上となっており、保温性能が高い必要があります。)タンク体上部には、スライド式の保温カバーが設置されマンホールや窒素管(積荷は空気に触れると酸化、変質するため窒素を用いります。)などが収められています。
川崎、富士重工業製(写真)と三菱製の2種類があり、外観はそれぞれ異なっていました。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
ε-カプロラクタム(イプシロン-カプロラクタム:ε-Caprolactam)…化学式C11NO、融点68℃、沸点は136~138℃の白色の個体。2-ケトヘキサメチレンイミン、2-オキソヘキサメチレンイミン、アミノカプロン酸ラクタムという別名があります。ナイロンや樹脂の原料に用いられています。

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タキ14900形式39t積みホルマリン専用タンク車(タキ14903)

① 10800mm ② 2720mm ③ 3807mm ④TR41DS-13形式 ⑤コ ⑥96
タキ8000形式30t積み車、タキ9700形式35t積み車の後継形式として昭和44年に5両が製作されました。新製車の荷重では初となる端数トン数を採用した貨車として有名。35系タンク車の一つで、腐食性のある積荷ではありますが、上入れ下出し方式を採用しています。平成10年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タ3050形式をご覧下さい。

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タキ15600形式40t積み亜鉛焼鉱専用タンク車(タキ15608)

① 10800mm ② 2576mm ③ 3430mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥なし
唯一の亜鉛焼鉱専用車として昭和44年から47年にかけて38両が製作されました。製作した車輛製造メーカーは富士重工業製(写真)と日立製の2社で、どちらも同時期にそれぞれが開発したセメント専用タンク車の準じた設計を行っています。なお、比重がセメントよりも小さい事からタンク体は一回り小さくなっています。
富士重工業製はタキ12200形式を元にした設計で、タンク体上部は円筒形、下部を漏斗形とした形状としています。一方、日立製はタキ19000形式を元に設計しており、タンク体は小判型で、補強環を持ったものとなり、富士重工業製とは外観が大きく異なっていました。日立製は平成8年に廃車され、富士重工業製は一部の車輛が台車をTR209形式に交換しながらも使用され、平成23年に後継形式となるタキ1200形式に置き換えられました。書類上は廃車となっていないようですが、実質的に廃車、形式消滅しているようです。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タキ1200形式をご覧下さい。

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タキ15700形式35t積みメチルメタアクリレート専用タンク車(タキ15707)

① 12300mm ② 2720mm ③ 3876mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ7100形式(三代目)の拡大形式として、昭和44年から48年にかけて11両が製作されました。35系タンク車の一つで、保冷キセ付きステンレス製タンク体となっています。荷役方式はタキ15701までの2両が積卸しに使用する吐出管を使った下入れ下出し方式、その他はタンク体上部にある液入管からの上入れ下出し方式となっています。平成13年に形式消滅しています。
積荷の説明
メタクリル酸メチル(methyl methacrylate)…分子式C、融点-48℃、沸点101℃の香気ある無色可燃性液体です。略称はMMA。有機化合物の一つで、アセトンとシアン化水素(青酸)からつくられています。各種ポリマー合成の原料として用いられており、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、スチレン共重合樹脂(MBS)、無水マレイン酸共重合樹脂(SMM)が製造され、自動車のメーターパネル、光学フィルムなどがつくられています。

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タキ15800形式35t積みエチレングリコール専用タンク車(タキ15814)

① 10300mm ② 2588mm ③ 3825mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥93
タキ6600形式の拡大形式として、昭和44年から46年にかけて19両が製作され、昭和58年にタキ45000形式から5両が改造され、合わせて24両からなる形式です。キセなしドームレスタンク車で、高粘度の積荷であるため中央部に向かって傾斜のある構造のタンク体(外観からは折れ曲がった形に見える)となっています。タンク体には補強環が設置されており、ステンレス製タンク体の自肌色(銀色)と黒色に塗装した車輛がありました。平成20年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その2 タキ6600形式をご覧下さい。

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タキ15900形式35t積み液体硫酸アルミニウム専用タンク車(タキ15903)

① 10800mm ② 2420mm ③ 3630mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥98
タキ6050形式に続いて昭和44年から47年にかけて4両が製作されました。タキ6050形式を軽量化した形式で、キセなしドームレスタンク体、側梁省略と軽量化された車輛に見られる構造を持っています。昭和49年にタンク車の保安対策が見直され、再び自重が増加する事となり、タキ6050形式が製作されました。平成10年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その2 タキ6050形式をご覧下さい。

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タキ16200形式35t積み酢酸ビニル専用タンク車(タキ16205)

① 12300mm ② 2720mm ③ 3836mm ④TR41C形式、TR41E-12形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ8700形式の拡大形式として、昭和44年から50年にかけて10両が製作されました。35系タンク車の一つで、キセ付きステンレス製ドームレスタンク体をもつ車輛です。平成11年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その3 タキ8700形式をご覧下さい。

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タキ16500形式35t積みプロピレンオキサイド専用タンク車(タキ16511)

①14880mm、14400mm、13900mm ②2720mm、2718mm ③3880mm、3859mm ④TR41C形式、TR41E-13形式、TR213C形式及びD形式、TR225形式 ⑤なし ⑥燃32
プロピレンオキサイド専用車では唯一の形式で、昭和44年から平成5年にかけて28両が製作されました。少しずつ増備された結果、3種類に大別でき、タキ16500~8は35系タンク車のタキ35000形式、タキ16509~11は17系タンク車のタキ17000形式、タキ16512~27は38系タンク車のタキ38000形式をそれぞれベースにした設計となっていました。いずれもステンレス製タンク体となっており、黒色又は銀色に塗装されていました。タキ16509以降は保安対策車であり、さらにタキ16512以降は台車をTR225形式に変更したため、自重増となる事から、タンク体を太くし、車体長を短くして対応しています。平成20年に形式消滅しています。
積荷の説明
酸化プロピレン(methyl oxirane)…分子式CO、融点-104℃、沸点34℃のエーテル臭をもつ無色可燃性液体で、毒性、麻酔作用があります。沸点や引火点が低く、揮発性が高く、非常に引火し易い特徴があります。石油化学製品の一つで、プロピレンオキサイド、1,2-エポキシプロパン、メチルオキシランなどとも呼ばれています。主にポリウレタンやポリエステルの製造に用いられています。

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タキ16600形式35t積みエチレングリコール専用タンク車(タキ16601)

① 11300mm ② 2520mm ③ 3757mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥ 93
タキ15800形式に次いで登場したエチレングリコール専用35t積み車で、昭和44年に3両製作されました。タキ15800形式との違いはタンク材質をステンレス鋼から普通鋼に変更し、タンク内面をステンレスライニングとしています。このため、約2トン程自重が重くなっています。平成9年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その2 タキ6600形式をご覧下さい。

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タキ17600形式30t積み金属ナトリウム専用タンク車(タキ17603)

① 13800mm ② 2400mm ③ 3775mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃(禁水)44
唯一の専用タンク車として昭和45年に8両が製作されました。保温キセ付きドームレスタンク車で、特徴は荷役方式にあります。積荷の金属ナトリウムは120℃で溶融し、タンク内に注入。加熱管に低温の油を循環させて冷却。固化した後、輸送し、荷卸し時は加熱管に高温の油を循環させて、溶融させる。窒素加圧によって荷卸しをする方法が行われていました。タンク上部にはこれらの弁類や配管類が円筒形のプロテクターに収められています。平成9年に形式消滅しています。
積荷の説明
ナトリウム(sodium)…元素番号11、元素記号Na、常温では融点98℃、沸点883℃の銀白色の固体。非常に反応性が高く、酸や塩基に侵され、水とは激しい反応をする。空気中では容易に酸化する特徴もあります。我が国では医薬学や栄養学ではソジウム(ソディウム)、工業分野ではソーダ(曹達)と呼ばれており、これはナトリウム化合物を意味しており、金属との区別をつけるため「金属ナトリウム」という呼び方もあります。ソーダ工業製品の一つで、有機合成試薬などに使用されています。

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タキ17900形式35t積みアルミナ専用タンク車(タキ17903)

① 12800mm ② 2620mm ③ 3550mm ④TR41C形式、TR225形式 ⑤なし ⑥なし
35t積み車ではタキ6400形式、タキ7400形式、ホキ3000形式に続いて4番目に登場。昭和44年から50年にかけて13両が製作されました。タキ6400形式とは荷役方式、タキ7400形式とはタンク体材質がそれぞれ異なる事から新形式となりました。製作会社により、日立製(写真)と日車製の2タイプに大別でき、日立製はタキ19000形式、日車製はタキ1900形式をモデルにして製作されました。平成12年に形式消滅しています。
積荷の説明
ホッパ車のお部屋 ホキ3000形式をご覧下さい。

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タキ18100形式35t積みPPG専用タンク車(タキ18100)

① 11920mm ② 2720mm ③ 3866mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥93
PPG=ポリプロピレングリコール専用車ではタキ8950形式に次いで昭和44年、47年に1両ずつ、計2両が製作されました。35系タンク車の一つで、保温キセ付きステンレス製タンク体のタンク車です。平成13年に形式消滅しています。
積荷の説明
ポリプロピレングリコール(polypropyleneglycol)…略称はPPG、ポリプロピレンオキシドとも言われるプロピレングリコールの重合体で、無色又は淡黄色の粘稠液体。石油化学製品の一つで、多数の品種があり、それぞれ物性が異なります。ポリウレタン樹脂や界面活性剤などの原料として使われています。

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タキ18300形式35t積み液体ポリ塩化アルミニウム専用タンク車(タキ18303)

① 10800mm ② 2605mm ③ 3772mm ④TR41C形式、TR225形式 ⑤コ ⑥98
液体ポリ塩化アルミニウム専用車では唯一の形式で、昭和45年から54年にかけて8両が製作されました。タキ18303以降は保安対策車で、タンク空容積の増加などが行われています。平成11年に形式消滅しています。
積荷の説明
ポリ塩化アルミニウム(pori Aluminium chioride)…略称はPAC。水酸化アルミニウムを塩酸に融解したもので、弱酸性の淡黄色の透明な液体。水処理薬品として使用されています。

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タキ18600形式25t積み液化アンモニア専用タンク車(タキ18628)

① 17080mm ② 2500mm ③ 3820mm ④TR211B形式、TR216B形式 ⑤オ ⑥毒燃(G)26・3
タキ4100形式(二代目)の後継形式として昭和45年から57年にかけて128両が製作されました。タキ4100形式(二代目)とは同じ荷重ですが、本形式はタキ25000形式LPガス専用車で開発された新しい技術(波除け板の廃止、TR207系台車の採用など)を用いて設計されており、一線を画すものとなっています。
保冷キセ付き高圧ガスタンク車で、容器保安規則(通産省令)により、タンク体は白色に指定されています。車体長は18m級と大型で、特殊標記符号では車体長が16mを超えるタンク車である事を示す記号「オ」が付けられています。標準設計方式が採用されており、タンク体のキセ形状が異なるなど僅かな違いに留まっていますが、初期車では側ブレーキを装備しています。タンク体が高圧ガス容器であるため老朽化によるもの、輸送形態の変化により平成21年に形式消滅しています。
積荷の説明
アンモニア(ammonia)…化学式NH、融点-77℃、沸点-33℃の常温では刺激臭のある無色透明の毒性の強い気体。水によく溶ける性質があり、水溶液(アンモニア水)として使用される事も多い。アンモニアそのものも、液化し易い特徴があります。化学工業では基礎的な窒素源として重要なもの。悪臭防止法では特定悪臭物質の一つで、毒劇法では劇物に指定、高圧ガス保安法では毒ガス及び可燃性ガスに指定されています。液体状のものが目に入った場合は失明する可能性が高く、高濃度のガスを吸入した場合、呼吸停止も起こりうる。
硝酸など基礎化学品、肥料、無機薬品などの原料に使用されています。

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タキ18671

タキ18630~99、118600~27は保安対策車で、手ブレーキに変更されており、台枠が延長されています。

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タキ18700形式35t積み酢酸及び無水酢酸専用タンク車(タキ18701)

① 11800mm ② 2720mm ③ 3845mm ④TR41C形式、TR225-1形式 ⑤コ ⑥燃侵38
タキ3700形式30t積み車の拡大形式で、昭和45年から51年にかけて5両が製作されました。35系タンク車の一つで、保冷キセ付きステンレス製タンク体を持ちます。写真は側ブレーキを装備した初期車です。
積荷の説明
タンク車のお部屋その2 タキ3700形式をご覧下さい。

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タキ18704

タキ18702以降は保安対策車で、タンク体は少し大きくなり、これに合わせて台枠が延長されています。また、側ブレーキから手ブレーキに変更され、外観の様子が変わりました。タキ18703、04はキセがステンレス薄板となり、塗装は自肌色(銀色)となっています。

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タキ19000形式40t積みセメント専用タンク車(タキ19103)

① 10800mm ② 2567mm ③ 3528mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥なし
タキ1900形式に続いて、昭和42年から46年にかけて186両が製作されました。川崎製のタキ1900形式に対抗して、日立製作所が開発したのが当形式です。大きな違いはタキ1900形式が普通鋼のみで製作されたのに対し、本形式は普通鋼と耐候性高張力鋼を併用している点です。また、タンク体外周に補強環があるのも特徴です。セメント需要の減少などにより、平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タキ1900形式をご覧下さい。

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タキ19500形式35t積みスチレンモノマー専用タンク車(タキ19503)

① 12600mm ② 2720mm ③ 3880mm ④TR41C形式、TR225形式 ⑤なし ⑥燃30
タキ800形式30t積み車の拡大形式で、昭和45年から51年にかけて6両が製作されました。35系タンク車の一つで、保冷キセ付きステンレス製タンク体となっています。タキ19503~05の3両は保安対策車で、タンク体空容積増加、手ブレーキ化などが行われ、タキ19500~02とは印象が異なります。塗装もタキ19500~02は黒色、03以降は銀色となっています。平成15年に形式消滅しています。
積荷の説明
スチレン(styrene)…化学式C、融点-30.6℃、沸点145℃の香気ある無色透明の可燃性液体。熱や光によって重合し易い性質なため、重合禁止剤が添加されています。スチレンモノマーは各種スチレン系共重合樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、合成ゴムの原料として用いられています。因みに、ポリスチレンは透明な容器や発泡スチロールと呼ばれる保温容器に。ポリスチレン樹脂はプラモデルの成形材として身近なものとして利用されています。

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タキ19550形式25t積み液化イソブチレン専用タンク車(タキ19550)

① 17700mm ② 2500mm ③ 3820mm ④TR216B形式 ⑤オ ⑥燃(G)23
昭和57年、平成5年に1両ずつ、計2両が製作されました。保冷キセ付き高圧ガスタンク車で、タキ18600形式液化アンモニア専用タンク車への転用を考えた設計が行われており、タンク体の強度は必要以上に大きい特徴があります。容器保安規則(通産省令)により、タンク体はねずみ色1号となっています。平成20年に形式消滅しています。
積荷の説明
イソブチレン(isobuthylene)…化学式C、融点-140℃、沸点-7℃の常温では特異臭をもつ無色の可燃性気体。イソブテン(isobutene)とも言い、石油化学製品の一つで、工業的には重要な炭化水素です。高圧ガス取締法の適用を受けており、その用途は有機合成の中間体、ガソリンの添加剤などがあります。

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タキ19600形式35t積みTDI専用タンク車(タキ19607)

① 11830mm、12200mm ② 2720mm、2714mm ③ 3751mm、3786mm ④TR41E形式、TR225形式 ⑤コ ⑥毒61
タキ4850形式の拡大形式として、昭和45年から55年にかけて11両が製作されました。タイプは2種類あり、タキ19600~07までは35系タンク車をベースに設計したもので、保温キセ付きドームレスタンク体となっています。加熱装置も設置されており、蒸気加熱方式となっています。タンク体上部にあるプロテクターには弁装置や配管などが収められています。平成11年に形式消滅しています。
積荷の説明
トルエンジイソシアネート(toluene diisocyanate)…化学式C、融点11~13℃、沸点251℃の無色又は淡黄色の刺激臭をもつ油状液体で、有毒。略称はTDI、主に軟質ポリウレタンフォームの原料として用いられています。

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タキ19610

昭和55年に登場したタキ19608~10は保安対策車で、38系タンク車をベースに設計されています。保安対策によりタンク体や台枠が延長され、台車もTR225形式を履いています。自重を軽減するため、加熱装置が設計変更されています。

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※上の写真をクリックしますと、左はタンク車のお部屋その3、右はその5へ進みます。