タンク車の紹介はまだまだ続きますよ。

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※上の写真をクリックしますと、それぞれのタンク車のお部屋へ進みます。

タンク車の紹介の前に。
たくさん紹介するので、下記のように少し省略して説明をしますので、予めご了承下さい。
①全長 ②全幅 ③全高 ④走り装置又は台車形式 ⑤特殊標記符号 ⑥化成品分類番号
※同一形式で2つ以上ある場合は、2つ目以降は省略しています。

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タキ7000形式35t積み四塩化炭素専用タンク車(タキ7006)

① 10100mm ② 2450mm ③ 3723mm ④ TR41C形式 ⑤コ ⑥毒61
タキ6100形式の拡大形式として、昭和33年から44年にかけて13両が製作されました。タキ6100形式を荷重増の分延長したようなスタイルで、積荷の純度を保つためステンレス製タンク体としています。また、ドーム部横には積荷が水分によって分解し、塩酸を生ずるため、荷卸し時に使用する空気管に除湿装置が設けられています。後期車はドームレスタンク体となっていました。写真の7006番が平成11年に廃車され、形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その2 タキ6100形式をご覧下さい。

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タキ7050形式35t積み四塩化炭素専用タンク車(タキ7058)

① 9800mm ② 2400mm ③ 3881mm ④TR41C形式、TR225形式など ⑤コ ⑥毒61
昭和40年に登場した形式で、第1ロットとなるタキ7050、7051が汽車会社で製作されました。この2両は汽車製軽量タンク車として製作され、自重が大きく軽量化されており、このために新形式となったようです。その後、昭和52年までに17両が製造され、計19両製作されました。平成22年に形式消滅しています。
写真はタキ7052~58のグループで、ステンレス製タンク体に補強環が4本あるタイプです。53番のみ台枠が平型で、他は側梁省略となっています。晩年、一部の車輛は苛性カリ専用車として活躍しました。(写真)
積荷の説明
タンク車のお部屋その2 タキ6100形式をご覧下さい。

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タキ7050形式35t積み四塩化炭素専用タンク車(タキ7060)

タキ7059~61、64、65、67の6両はタンク体の構造が変わり、中央部に向かって傾斜を設けたものとなっているほか、保安対策が施されています。

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タキ7250形式35t積みアルコール専用タンク車(タキ7283)

① 12010mm ② 2720mm ③ 3860mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ3500形式30t積み車の拡大形式で、初めての35t積み車で、昭和42年から46年にかけて115両が製作されました。タキ35000形式をベースとする35系タンク車の一つで、外観はタキ35000形式に酷似しています。タキ7250~99、タキ17250~54までは側ブレーキは片側、タキ17255~99、27250~64は側ブレーキが両側に設置されています。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋 その4 タキ13700形式をご覧下さい。

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タキ7300形式(初代)35t積みセメント専用タンク車(タキ37371)

① 10800mm ② 2474mm ③ 3680mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥なし
セメント専用タンク車として初めての形式で、昭和34年から41年にかけて523両が製作されました。この形式で採用された異径胴タンク体と中梁を省略した台枠の組み合わせは、粉体タンク車の標準的な構造として特筆されています。平成13年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋 その1 タキ1900形式をご覧下さい。

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タキ7450形式28t積み濃硝酸専用タンク車(アコタキ7450)

① 9600mm ② 2547mm ③3879mm ④TR41D形式 ⑤ア、コ ⑥侵(禁水)84
タキ7500形式に続いて昭和41年に1両のみ製作されたタンク車です。タキ7500形式に準じた設計に、保冷用断熱材、キセを装備したため新形式となりました。試作車的意味合いがあったようで、1両のみしか製作されていません。また、登場時は荷重は30tでしたが、昭和49年のタンク車保安対策により、荷重が見直され28t積みとなっています。同時に台車もTR41C形式でしたが、TR41D形式に改造されました。タンク体は純アルミ製であるため、大型の受台4つを設置しています。平成20年に廃車となり、同時に形式消滅しています。
積荷の説明
硝酸(しょうさん:nitric acid)…化学式HNO3、融点-41.6℃、沸点82.6℃の無色の液体。鉱業的にはオストワルト法という、アンモニアの酸化によって得られる。代表的な強酸の1つとして知られており、水によく溶ける性質があり、一般的にはこの水溶液を硝酸と呼んでいます。鉄道輸送では濃度98%以上の硝酸を「濃硝酸」、68%未満を「希硝酸」と呼んでいます。どちらも有毒であり、腐食性、酸化性が強い特徴があります。化学工業全般で使用されており、濃硝酸に二酸化窒素、四酸化二窒素を溶かすと「発煙硝酸」や「赤煙硝酸」と呼ばれ、さらに強力な酸化力を持ちます。これはロケットの酸化剤や推進剤に使用されています。また、濃硝酸と濃硫酸を混ぜた「混酸」はニトロ化合物の合成により爆薬、染料、肥料の製造に使用されています。

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タキ7500形式28t積み濃硝酸専用タンク車(アコタキ7528)

① 9200~9400mm ② 2560mm ③ 3876mm ④TR41D形式 ⑤ア、コ ⑥侵(禁水)84
濃硝酸専用タンク車では初のボギー車でタム100形式15t積み車の拡大形式になり、昭和34年から42年にかけて50両が製作されました。タキ7500、7501の2両はタキ7300形式として登場し、二車現存が判明してタキ7500形式に改番されています。純アルミタンク車の標準的なスタイルで、大型の受台は4つと8つのタイプがあります。当初は30t積みでしたが、昭和49年に保安対策により28t積みとなっています。平成21年に形式消滅しています。
積荷の説明
本ページ タキ7450形式をご覧下さい。

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キセ装備改造車(アコタキ7532)

保冷のため、タンク体上部にキャノピー型キセを装備した改造車も数両ありました。キセを装備したのみで、荷役方式や台車の変更などは行われていません。

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タキ7650形式25t積み過酸化水素専用タンク車(アコタキ7650)

① 10300mm ② 2500mm ③ 3852mm ④TR41DS形式 ⑤ア、コ ⑥化侵58
過酸化水素専用タンク車として初めてのボギー車として昭和39年にタム2300形式を1両改造して製作されました。タム8000形式15t積み車の拡大形式です。タンク体は積荷の分解を防ぐために純アルミ製のものが新製され、台枠以下は種車のものが流用されています。台車はTR41B形式でしたが、第二次台車改造でTR41DS形式に改造されています。後継形式はタキ1150形式30t積み車です。平成15年に廃車となり、同時に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タム8000形式をご覧下さい。

タキ7750形式35t積み苛性ソーダ液専用タンク車
① 10200mm ② 2538mm ③ 3800mm ④TR41DS-12形式、TR225形式など ⑤コ ⑥侵81
35t積み車としてはタキ4100形式(初代)、タキ4200形式に次いで3番目に登場した形式で、昭和42年から平成5年にかけて289両が製作されました。タキ4200形式の軽量化、保安度向上を図った形式で、簡素でありながら、合理的な車体構造は、後に登場するアルカリ水溶液輸送用タンク車に採用され、多くの形式が登場しました。
専用種別は苛性ソーダ液、苛性カリ液、その両方の3種類あります。保温キセ付きのドームレスタンク体を持ち、ロットにより側梁省略や保安対策車などがあります。他のタンク車と同じく老朽化、コンテナ輸送転換など輸送体系の変化により、廃車が進められ平成22年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タキ2600形式をご覧下さい。

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側梁省略車(タキ7797)

側梁省略車のタイプその1です。軽量化を図るためでしょうか、台枠幅は狭く受台は垂直になっています。

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側梁省略車(タキ17769)

側梁省略車のタイプその2です。台枠幅が広くなり、受台が斜めになっています。

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平型台枠車(タキ17751)

平型台枠車の例です。中央部にあるのが側ブレーキで両側に設置されています。台車はタキ37767までがTR41C形式でしたが、第二次台車改造でTR41DS-12形式に改造されています。

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試験車タキ37768~37776(タキ37770)

昭和48年に貨車のブレーキに関する試験を行う目的で、営業車を兼ねて製作された車輛です。昭和41年に登場したタキ35000形式は車体長を抑えつつ、輸送力増強を図る目的で側ブレーキを採用しました。それ以前までは側ブレーキは2軸車が一般的でしたが、タキ35000形式の登場によりタンク車では側ブレーキ車が盛んに製作されるようになりました。この頃、「レジンシュー」という新素材を使用した制輪子を使用したTR41E形式などが開発され、タンク車でも安定走行を図る目的から採用されました。しかし、レジンシューはTR41C形式などで使用していた鋳鉄製制輪子と比較すると低速時のブレーキ効果が悪い問題がありました。また、側ブレーキ車の増加に伴い、突放入換時の死傷事故が増えてきたため、この改善も図らなければならない問題がありました。
この2つの問題を解決する目的がこの試験車で、タキ37768~37775までは手ブレーキ車として設計し、台車はTR41E、鋳鉄制輪子に対応したブレーキシリンダーを装備させました。タキ37776のみ、レジンシュー用の小型ブレーキシリンダーと改良した側ブレーキを装備し、比較検討を行い、結果を以降の車輛に反映させています。昭和49年にタンク車の設計において保安対策を盛り込む事が決められ、余裕のあるデッキ部が設けられた事から手ブレーキを設置する事が容易となり、以降の車輛は手ブレーキ車となっています。(側ブレーキは製造禁止とはなっていない。構造上やむを得ず、設置する車輛もあります。)

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準保安対策車(タキ47754)

昭和50年以降に登場する車輛には保安対策の要素が盛り込まれるようになっていきます。台枠は少し延長され、平型台枠となり、マンホール周辺のランボードは強化型に変更されています。側ブレーキ車はタキ47763が最後となります。台車はタキ37768~47767まではTR41E-12形式です。

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準保安対策車(タキ47769)

タキ47764以降は側ブレーキから手ブレーキへと変化し、タキ47768以降は台車がTR225形式へと一層、近代化したスタイルへ変化しています。

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保安対策車その1(タキ57769)

昭和51年以降に製作されたタキ47793以降は保安対策車と呼ばれる車輛で、空容積の増加や台枠の延長など従来車とは異なる設計が行われています。

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保安対策車その2(タキ57783)

タキ57773以降は台車がTR213C形式、ブレーキ装置では57785以降が手ブレーキ+CSD型積空ブレーキとなっています。

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タキ7900形式25t積みラテックス専用タンク車(タキ7900)

① 11200mm ② 2500mm ③ 3803mm ④TR41C形式 ⑤コ ⑥なし
ラテックス専用タンク車としては初めての形式で、昭和35年から36年にかけて17両が製作されました。ドーム付き、保温キセ付きのタンク車で、タンク内面は純度を保つためフェノール樹脂コーティングが施されていました。平成14年に形式消滅しています。
積荷の説明
ラテックス(latex)…一般的にはゴムの木類から採取された樹液を言い、石油化学製品では界面活性剤で乳化させたものを言います。これを水中に分散させた乳白色粘稠液体を言います。温度変化により変質するため、保温や保冷が必要です。紙や繊維の表面処理、タイヤなどのゴム製品の原料として使用されています。

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タキ7900形式改造車(タキ7935)

昭和42年から改造車が加わりました。タサ1700形式を種車に改造したもので43両が改造されています。改造内容は種車のタンク体を切り詰めたもので、台枠から下は種車のものをそのまま流用しています。タキ7917~43まではタンク受台は帯金方式です。

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タキ7900形式改造車(タキ27901)

タキ7944~49、27900~27909は受台が押え金方式となっています。

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タキ7950形式35t積みメタノール専用タンク車(タキ7969)

① 12050mm ② 2720mm ③ 3809mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃31
タキ5200形式を拡大した形式で、昭和42年から44年にかけて25両が製作されました。タキ35000形式を基礎とする35系タンク車の1形式で、タキ7250形式と瓜二つなスタイルです。タキ7950~54までは液入管から積み込む方法で、55~74まではマンホールから荷役する方法です。また、タンク体が40mm短縮されており、台枠もそれに合わせて短縮されています。平成19年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋 その1 タム3700形式をご覧下さい。

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タキ8000形式30t積みホルマリン専用タンク車(純アルミ製タンク体)(アコタキ8005)

① 11200mm ② 2540mm ③ 3795mm ④TR41C形式 ⑤ア、コ ⑥96
ホルマリン専用タンク車では初の30t積み車で、タサ5100形式20t積み車の拡大形式です。昭和35年から43年にかけて26両が製作され、昭和44年にタ580形式から2両が改造、編入されています。
タンク体はロット毎に様々な種類がありますが、材質では純アルミ製とステンレス鋼製の2種類がありました。タキ8000~8006は純アルミ製タンク体をもつ車輛で、アルミ製タンク体である事を示す「ア」の記号が付けられていました。平成12年に形式消滅しています。
積荷の説明
タンク車のお部屋その1 タ3050形式をご覧下さい。

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タキ8000形式30t積みホルマリン専用タンク車(ステンレス製タンク体)(タキ8010)

① 12100mm ② 2531mm ③ 3787mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥96
こちらはステンレス製タンク体をもつ車輛で、タキ8007~10とタキ8011~27で分けられ、前者は車体長が12mを超えるため、特殊標記符号はなく、後者は12m以下であるため「コ」の標記が付いています。また、同じステンレス製タンク体ですが、キセ付きとなしの2種類がありました。写真はキセ付きの車輛です。この他、腐食性の積荷でありながら、荷役方式は上入れ下出し方式が採用されていました。

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タキ8100形式30t積み希硝酸専用タンク車(タキ8139)

① 9500~9600mm ② 2535mm ③ 3748mm ④TR41C形式、TR41D-4形式 ⑤コ ⑥侵81
タサ3300形式20t積み車の拡大形式として、昭和35年から45年にかけて54両が製作されました。タンク体はステンレス製でキセはなく、自肌色(銀色)となっていました。タキ8100~47はドーム付きタンク体で、受台は帯金方式。台車はTR41C形式の車輛と第一次台車改造でTR41D-4形式に改造されたものがあります。平成17年に形式消滅しています。
積荷の説明
本ページ タキ7450形式をご覧下さい。

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タキ28102

タキ8148、49、28100~3の後期車はドームレスタンク体となり、受台も押え金方式になっています。また、手ブレーキから側ブレーキへと変更されていました。台車は新製時よりTR41D-4形式を履いていました。

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タキ8300形式30t積みラテックス専用タンク車(タキ8301)

① 12800mm ② 2400mm ③ 3880mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥なし
タキ7900形式25t積み車の拡大形式として、昭和35年から40年にかけて5両が製作されました。キセ付きタンク体をもつ車輛ですが、タキ8300とそれ以外の4両ではタンク体形状が異なっていました。平成14年に形式消滅しています。
積荷の説明
本ページ タキ7900形式をご覧下さい。

タキ8350形式30t積みラテックス専用タンク車
① 12100mm ② 2570mm ③ 3880mm ④TR41C形式など ⑤コ ⑥なし
昭和41年から55年にかけて14両が製作、1両のみタキ3700形式からの改造車があり、計15両の形式です。タキ8300形式のタンク体材質を普通鋼からステンレス鋼に変更したため、新形式となったものです。軽量かつ強度のあるステンレス鋼を使用した事で、各部材の軽量化が図られ、自重が1割ほど軽くなっています。塗装はタキ8350~62まで黒色、63、64の2両は銀色でした。改造車を除く新製車は車体長が12mを超えるにもかかわらず、特殊標記符号「コ」が添えられていました。平成18年に形式消滅しています。
積荷の説明
本ページ タキ7900形式をご覧下さい。

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タキ8351

タキ8350~55の6両はタキ8300形式のデザインをそのまま踏襲しており、手ブレーキ、受台は帯金方式となっています。台車はTR41C形式から第二次台車改造でTR41DS-12形式になっています。

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タキ8356

タキ8356、57の2両は側ブレーキ車に変更。受台も押え金方式へと変化しています。

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タキ8361

タキ8359以降は再び、手ブレーキへと戻っています。タキ8359~62はTR41E-12形式、63と64はTR213C形式を履いていました。

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タキ8358(改造車)

昭和48年にタキ3700形式を改造したもので、タンク体に設置されていた加熱管などの一部装置の撤去を行い、荷役方式を上入れ下出し方式に改造しました。

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タキ8450形式40t積みアルミナ専用タンク車(タキ8453)

① 14300mm ② 2680mm ③ 3738mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥なし
昭和35年に日本軽金属株式会社と川崎重工業との共同開発でタキ8400形式40t積みアルミナ専用タンク車が製作されました。タンク体、台枠をアルミ合金製とした「オールアルミ車」で、台車も専用のもの(川崎601形式)が用意されました。これに対抗する形で、日本車輌製造が製作したオールアルミ車が当形式です。タキ8400形式よりはやや小さく、タンク体はタキ8400形式が円形であるのに対し、本形式はおむすび形という他に例のない独特の断面形状を持っています。静岡県にあった清水港線の三保駅を常備駅として活躍しましたが、昭和59年同路線の廃止と共に形式消滅しています。写真のタキ8453は清水港線の終点であった三保駅の跡地に出来た三保ふれあい広場に保存されている、貴重な1両です。
積荷の説明
ホッパ車のお部屋 ホキ3000形式をご覧下さい。

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タキ8700形式30t積み酢酸ビニル専用タンク車(タキ8724)

① 14300mm ② 2540mm ③ 3880mm ④TR41C形式 ⑤なし ⑥燃31
タサ4500形式20t積み車の拡大形式として、昭和35年から44年にかけて26両が製作、タキ8708のみタキ4800形式S酸肥液(液体肥料)(1両のみの形式)、タキ4800を改造しています。タンク体はステンレス鋼を用いていましたが、タキ8708、10、11のみアルミニウム製で、色も自肌色(銀色)でした。タキ8721までは手ブレーキ、22以降は側ブレーキを装備していました。平成22年に形式消滅しています。
積荷の説明
ビニルアセタート(vinyl acetate)…化学式C、融点-93℃、沸点72℃の香気ある無色引火性液体です。別名、酢酸ビニルとも言い、工業的にはエチレンと酢酸、酸素によって合成する方法で製造されています。多くは合成樹脂の原料で使用されています。

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タキ8750形式25t積みクラフトパルプ廃液専用タンク車(タキ8750)

① 10050mm ② 2450mm ③ 3828mm ④TR41D形式 ⑤コ ⑥なし
クラフトパルプ廃液専用車では初めての形式で、昭和42年に1両製作されました。キセなしのドーム付きタンク車で、中型のタンク車。ですが、ドーム付きタンク車で側ブレーキが片側にある車輛は少なく、珍しい形式として知られていました。平成9年に廃車され、同時に形式消滅しています。
積荷の説明
クラフトパルプ廃液…クラフトパルプ(Kraft pulp)とは、アルカリ性薬剤を用いて木材からパルプを得る手法で、KPと略されています。また、この製造法をクラフトプロセス(クラフト法)と言い、チップにした木材とアルカリ性薬剤(苛性ソーダなど)を高温、高圧下で煮ます。煮詰めた後に溶液を分離し、洗浄後パルプ以外の不純物を除去して、クラフトパルプが出来ます。この分離した溶液は「黒液」と呼びます。これが積荷のクラフトパルプ廃液で、ソーダ回収ボイラー(製紙工場にある黒液を燃料とするボイラー)の燃料に使用され、燃焼後の残渣(ざんさ)(これをスメルトや緑液と言う。)を水に溶かし、生石灰を混ぜて「白液」にします。この白液はクラフト法で、助剤として使われています。つまり、リサイクルをします。

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タキ8850形式35t積みラテックス専用タンク車(タキ8856)

① 14200mm ② 2500mm ③ 3803mm ④TR41C形式、TR41E-13形式 ⑤なし ⑥なし
タキ8350形式30t積み車の拡大形式として、昭和42年~49年にかけて5両が製作されました。その後、昭和56年から58年にかけて、余剰となっていたタキ1500形式から16両が本形式に改造の上、編入されています。
平成15年に形式消滅しています。
新製車の5両のうち、タキ8850~52は中央部に向かって傾斜のあるドーム付きタンク体を持ち、残りの53、54は通常のドーム付きストレートタンク体の車輛でした。
タキ8355~はタキ1500形式からの改造車です。55~59まではドームレスストレートタンク体で、タンク体はステンレス鋼製のものが新製されており、台枠より下を流用しています。60はドーム付きストレートタンク体で、55~59と同じです。
積荷の説明
本ページ タキ7900形式をご覧下さい。

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タキ8869

タキ8861~70の10両はタンク内の残液防止のため異径胴タンク体となりました。外観上、キセが一定に覆われているため見る事は出来ません。

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※上の写真をクリックしますと、左はタンク車のお部屋その2、右はその4へ進みます。