西 武 鉄 道

会社の概要

読み方  せいぶてつどう
略称等  西武(せいぶ)
設 立  1912年(明治45年)5月7日
保有路線数  12路線
保有路線名  池袋線(いけぶくろせん):池袋駅~吾野駅(57.8km)、新宿線(しんじゅくせん):西武新宿駅
 ~本川越駅(47.5km)、西武秩父線(せいぶちちぶせん):吾野駅~西武秩父駅(19.0km)、
 拝島線(はいじません):小平駅~拝島駅(14.3km)、国分寺線(こくぶんじせん):東村山駅~
 国分寺駅(7.8km)、多摩湖線(たまこせん):国分寺駅~多摩湖駅(9.2km)、
 狭山線(さやません):西所沢駅~西武球場前駅(4.2km)、西武園線(せいぶえんせん)
 東村山駅~西武園駅(2.4km)、豊島線(としません):練馬駅~豊島園駅(1.0km)
 西武有楽町線(せいぶゆうらくちょうせん):練馬駅~小竹向原駅(2.6km)
 多摩川線(たまがわせん):武蔵境駅~是政駅(8.0km)
 山口線(やまぐちせん):多摩湖駅~西武球場前駅(2.8km)
車輛形態  電車
その他  山口線のみ新交通システム(AGT(自動軌道案内式旅客システム))の路線です。

概要
 東京都北西部と埼玉県南西部に12路線(総延長176.6km)を持つ大手私鉄の1つ。会社名の「西武」は「武蔵国の西部」に由来しています。池袋線系統の路線を開業させた「武蔵野鉄道」と新宿線系統の路線を開業させた「西武鉄道(旧)」が合併して西武鉄道が設立されました。
 西武鉄道は鉄道事業の他、バス、タクシー等関連事業を多く手掛けています。プロ野球「埼玉西武ライオンズ」の親会社としても知られています。
 12路線ありますが、池袋線系統と新宿線系統に大別され、支線が伸びています。但し、多摩川線はどちらの系統でも無く、独立した路線となっています。特徴の一つに全線複線となっている路線は西武有楽町線のみで、他の路線は一部の区間又は全線が単線となっており、関東の大手私鉄では珍しいとされています。
 車輛の歴史も西武鉄道は興味深い。第二次世界大戦後、都市部に人々が集まり、輸送需要は急増しました。これに対応する為、各社ではカルダン駆動方式の高性能主電動機、応答性の高い電磁ブレーキ等を備えた新性能電車の開発を急ぎ、次々と投入していきました。西武鉄道はこの流れに乗らず、国鉄から焼損等で使えなくなった電車を大量に購入し、使える部品で車輛数を増やしていきました。1950年代に入り、次々と高性能電車が生まれる中、西武鉄道が新技術を採用したのは軽量車体のみで、旧性能電車の部品を組み合わせました。この背景に複線化工事を推進等、設備面での輸送需要に対応する工事があった為です。結果、高性能電車は高嶺の花であり、車体は新性能電車でありながら、下廻りは旧性能電車のまま。車体更新車のような新車を投入しなければなりませんでした。1960年代に入り、旧性能電車のスペックでは輸送需要に対応出来ず、新性能電車投入の時期を迎えましたが、西武鉄道は戦前並みの低性能電車の増備を続けていました。
 大きな転機を迎えたのは西武秩父線の開業です。西武鉄道の山岳路線であり、この路線の条件に合わせた101系の登場により、質的向上が図られ、現在では他の大手私鉄と遜色のないレベルに達しています。
 車輛の色は戦後から長らくはラズベリーレッドとトニーベージュの赤電色が標準色でしたが、昭和44年に登場した101系で明るく爽やかな、レモンイエローの車体色を採用。「西武鉄道=レモンイエロー」のイメージが定着しました。平成6年に登場した9000系が最後のレモンイエローを採用した電車で、その後、新しいカラーリングの電車が登場し、レモンイエローを採用した電車は数を減らしていますが、未だにこのイメージは消えていません。
 営業運転から引退した電車は地方の中小私鉄に譲渡されるケースが多く、グループ会社の近江鉄道、伊豆箱根鉄道の他、流鉄、三岐鉄道、上信電鉄等へ譲渡されています。長年、中小私鉄への中古車の供給元の一つですが、環境負荷低減等を目的に所有する全車輛のVVVFインバータ制御方式化を発表。この目的の為に他社から譲受したVVVFインバータ制御方式を持つ車輛(サステナ車両)を投入する事になり、小田急電鉄及び東急電鉄より車輛の導入が行われ、新しい仲間が加わりました。

現在の車輛(通勤形電車)

101系
 昭和44年、西武秩父線開業に備えて登場した通勤形電車です。山岳路線を走行する為の高出力、高ブレーキ性能を持つ車輛として登場しました。101系は昭和51年まで製造された低運転台グループと昭和54年から増備された高運転台グループの2つに分けられます。前者を「旧101系」、後者を「新101系」と呼ばれています。
旧101系
 昭和44年に登場したグループで、山岳路線に強く、平地での通勤用にも使用出来る事から「ASカー(All round Service Car)」と呼ばれ、従来車とは一線を画したものとなっています。701系、801系に続く形式である事から、900番代(901系)となる所ですが、今後の主力形式として増備が考えられる為、旧型車輛の淘汰によって空いた100番代、200番代を活かしています。形式付番は当時の基準に合わせ、電動車の番号を基準に附随車は1000番を加えたものとしています。
登場時はクハ1101(奇数車)+モハ101(奇数車)+モハ101(偶数車)+クハ1101(偶数車)の4両編成で、後に1ユニットを加えた6両編成が登場しますが、1ユニットには当時としては珍しいハイフン付きナンバーとなり、以降701系6両編成や301系にこの方法が使われています。
 車体は801系を踏襲したもので、外観は大きな変化はありませんが、細部に細やかな変更が加えられています。塗装色は従来車との連結出来ない事、緑生い茂る森の中でも目立つようにレモンイエロー(西武イエロー)をベースに側面窓廻りを在来車と同じウォームグレー(西武ライトベージュ)を入れたものとしました。101系以降、黄色の車体にステンレスドアの組み合わせは西武鉄道通勤形車輛の標準として、平成6年に登場した9000系まで採用される事になります。側面窓廻りのウォームグレーは途中から省略され、レモンイエロー一色となっています。
 性能面では全面的な変更が行われており、山岳路線である西武秩父線の走行に備えて、出力増強、ブレーキ方式変更、電気ブレーキ装備等の強化が図られています。
 池袋線で活躍し始め、冷房車が登場すると新宿線へも進出しました。その後は池袋線に集約され活躍。昭和63年より廃車が始まり、平成16年までに営業運転を終了しました。一方、平成7年に多摩川線ワンマン運転開始の為、ワンマン運転に対応した工事を5編成に実施。平成22年まで活躍しました。
 昭和63年より廃車が始まりましたが、廃車された車輛の主制御器や主電動機、主回路機器、台車等の機器類が新造車輛(4000系、10000系、9000系)に流用されています。

101系:旧塗装 101系:ワンマン対応車

新101系
 池袋線を101系で統一する為、昭和54年より増備されたグループです。旧101系からの続番となっており、227番以降が新101系となります。このグループの製作にあたり、一部の車輛が東急車輛で製作。ほぼ全ての車輛を自社の所沢車両工場で製作していた西武鉄道では初めての事例となります。(通勤形車輛では初。)
 車体は性能面では旧101系と変わりませんが、先頭部形状や接客設備等が大幅にモデルチェンジされています。このモデルチェンジは同時期に登場した旧2000系と共通点が多い特徴があります。
 先頭部は全面的に変更され、高運転台構造に変更され、窓の位置が上昇。これに合わせて窓周囲を窪ませ、凹部の塗装を変える事でガラスを大きく見せる工夫がされています。窪みは上部全体に設けられており、額縁スタイルとなりましたが、中央のラインは窪ませず残したので、鼻筋の通ったデザインとなっています。この部分の塗装はウォームグレーでしたが、昭和57年よりチョコレート色(黒色に近い)となっています。内装、機器類は旧2000系の仕様を組み入れ、全面的な変更が行われています。
 編成では旧101系と同じ、4両編成が用意された(6両編成は無い。)他、新しく2両編成(クモハ101形式(偶数車)+クモハ101形式(奇数車))が登場しました。後に6両編成に中間附随車を2両組み込み、8両固定編成とした301系が派生形式として登場しています。
 現在、ワンマン運転対応機器を搭載した編成及び機関車代用とした263編成が活躍をしています。

新101系:旧塗装 新101系:黄色

301系
 昭和55年に新101系の増備車として登場。当初の計画は701系等と併結し運用出来る編成として製作。昭和55年に登場した編成より300番代となりました。計画は既存の車輛によって賄われる事になり、新製した編成は8両固定編成に変更される事となりました。これにより、昭和56年からの編成は301系として区分されました。(先に登場した編成も301系に変更。)
 平成24年に全車廃車となり、廃系列となっています。

1301編成

旧101系、新101系、301系の形式を見る。

2000系
 西武鉄道では通勤形電車に3扉車を投入していましたが、駅間距離の短い新宿線用向けに乗降時分を短縮出来る4扉車を投入する事になり、昭和52年に登場したのが2000系です。4扉車の投入は昭和31年に国鉄モハ63系を改造した401系(初代)以来となります。2000系は昭和52年から昭和63年までに製造された「旧2000系」と以降、平成5年まで製作されたモデルチェンジ車の「新2000系」に分けられます。旧2000系は令和7年に引退しており、新2000系が活躍しています。
 前面は従来に見られる湘南顔や切妻ではなく、傾斜のあるパノラミックウィンドゥと将来の地下鉄直通を考え、非常用貫通扉を備えたものとなっており、扉上部に行先表示器、助手側に列車種別表示器、運転士側に列車番号表示器を備えました。制御方式は西武初となる界磁チョッパ制御方式、回生ブレーキ併用全電気指令式ブレーキが採用されました。
 編成は6両編成が用意されましたが、昭和58年より8両編成に出来るよう2両編成が加わった他、編成を組み換えた8両編成も登場しました。旧2000系は新宿線を中心に活躍しました。
 老朽化した411系、701系の置換えを目的に昭和63年に2000系が増備されました。このグループは内外装を大幅に変更したモデルチェンジ車となります。
 前面は窓廻りのデザインが変更され、傾斜のない1枚窓になり、窓、種別、行先表示器の廻りを黒く縁取ったものになり、合わせて手すり類の配置等も変更されました。客室窓はユニットサッシ窓から、天地寸法を拡大した一段下降窓に変更されました。車内も大幅に変更され、乗心地向上が図られています。編成構成は旧2000系と同じですが、4両編成が新たに加わっています。2、4、6、8両編成とバラエティーに富んだ内容に加え、製造時期により、多彩なバリエーションがあります。

旧2000系 新2000系

2000系の形式を見る

4000系
 秩父鉄道秩父本線へ直通運転を行う為に昭和63年に登場した系列です。特徴は車体は新製ですが、台車、制御装置、ブレーキ装置等は廃車となった101系の部品を流用しています。
 車体は新2000系をモデルにしており、片側2扉で半自動機能を持っており、扉横に押しボタンが設けられています。客下窓は大きくとられた2連の一段下降窓でバランサー付きとなっています。妻面窓は無く、前面は貫通構造で新2000系と同じく運転台窓廻りをブラックフェイスとしています。車体色は8500系に次いで2例目となる白色をベースに青、赤、緑色の細い帯を巻いた「ライオンズカラー」としています。
 車内は観光客が多い事から、ボックスシートを中心に乗降扉付近にロングシートを配したセミクロスシートとし、クハ4001形式(奇数番号車)にはトイレの設備があります。暖房装置は寒冷地での運転から、強化されています。
 機器類は先述の通り、101系からの発生品を多用しているのが特徴です。山岳路線で軽快に走行できる150kwの強力な主電動機、抑速ブレーキ及び発電ブレーキを備えた電空併用応荷重装置付き電磁直通ブレーキとしています。
 平成14年にワンマン運転対応工事が実施され、客室設備では自動販売機の撤去(フリースペース化)、車端部のクロスシートをロングシートに変更する等の変化が見られます。
 西武秩父線の主として活躍をしていましたが、平成28年に観光電車「西武 旅するレストラン52席の至福」に4009編成が改造されました。西武鉄道設立100周年の一環として実施されたもので、愛称は定員数が52名である事が由来で、愛称の「52」に因み、ロゴマークはトランプの柄に見立てており、スペードは「水」、ダイヤは「紅葉」、クローバーは「縁」と「至福」、ハートは「乗客とスタッフの気持ちが通う空間と時間に…」という思いが込められています。各車輛の形式、車輛番号には変更はありませんが、形式称号は「52型」としています。
 年100日程度、土休日を中心に運行が予定されており、池袋駅又は西武新宿駅~西武秩父駅の運行を基本としています。提供される料理は有名店、有名シェフ観衆の料理が季節に合わせて提供されています。この他に、団体列車や結婚式等の貸切列車としての運行もあります。

4000系普通列車 西武 旅するレストラン52席の至福

4000系の形式を見る

6000系
 帝都高速度交通営団(現:東京地下鉄)有楽町線との相互乗入れ用車輛として、平成4年に登場した通勤形電車です。今後の西武鉄道の標準車輛として位置づけられ、「旅客サービス向上」、「省エネルギー化」、「メンテナンスフリー化」等をコンセプトに設計が行われました。101系、2000系の「黄色い電車」のイメージを一新し、20000系等と共に新しい西武電車の標準を確立しています。
 編成は初の10両固定編成で、車輛番号は新しい方式が採用されています。1000の位は車輛形式、100の位を連結位置(号車)、下二桁で編成番号を表すものとしました。(6100形+6200形+6300形・・・6900形+6000形)
 車体は軽量化を図る為、初の軽量ステンレス製。車体は無塗装、幕板部と腰板部はビート加工、吹寄せ部はダルフィニッシュ仕上げとなっています。前頭部はFRP成形品で、地下鉄線乗入れの為、非常用貫通扉が設置されましたが、扉を正面に向かって左側に寄せた左右非対称構造を初めて採用しました。扉はプラグドアで、非常用はしごを備える。前部標識灯、後部標識灯はコンビネーション化された角型のものとなっています。塗装はシルバーメタリックに西武ブルーの帯を配しています。
 乗降扉や窓配置は新2000系と同じですが、車外スピーカー準備工事等が異なります。車輛番号の表記もクモハやモハ、社紋が無くなり、数字の表記になっています。
 平成8年度に増備された5次車では軽量化を図る為、初のアルミ製車体が採用され、50番代に区分されました。構体はアルミの大型押し型材を組み合わせたもので、灰色に塗装されています。ビートが無くなり、前頭部もアルミ製削り出しに変更しており、細部が異なっています。6次車以降では更なる軽量化を目指して、戸袋窓を廃止した他、通過標識灯も省略しました。
 車内の基本寸法は2000系以来のもので、室内を明るくする為、アイボリー系の化粧板が用いられています。初めてのものとして編成中に2ヶ所車いすスペースが設置されており、2号車、9号車にあります。また、LED式の車内案内表示器、自動放送装置、ドアチャイム、相互通話式非常通報装置等が備えられました。
 制御装置はGTO素子を用いたVVVFインバータ制御方式を採用しています。台車は西武鉄道初のボルスタレス台車が採用されています。0番代、50番代は軸箱支持装置が緩衝ゴム式となっています。50番代の6次車以降では、軽量化の為モノリンク式に変更になった他、基礎ブレーキも両抱え式から片押し式に変更され、外観が異なっています。
 運用後、有楽町線、副都心線へ運用を始める為、改造工事が実施されます。この際、前面の銀色部分が白色に変更される変化が見られます。
後継となる40000系により、直通運転の運用を減らし、池袋線、新宿線等で活躍をしています。

ステンレス車 アルミ車 アルミ車(6次車以降)

6000系の形式を見る

8000系
 西武鉄道ではメンテナンスや省エネに優れた無塗装車体、VVVFインバータ制御方式を採用した車輛の導入を進めていますが、新造車では初期投資等でどうしても時間を要してしまいます。そこで、完全VVVF車統一を早期実現する為に、他社から中古車輌を購入する事を決めました。導入費用が大幅に抑えられ、省エネ化による環境配慮、SDGsへの貢献等メリットが多々あります。この他社から導入する車輛を西武鉄道では「サステナ車両」と呼びます。
 その第一弾として令和7年に登場したのが、この8000系です。小田急電鉄8000形を改造したもので、外観デザインは大きく変更しましたが、その他の改造は車端部の座席の数の変更、優先席の配置変更等僅かに留まっており、車体、内装、走行機器等小田急時代と変わらず、それ故に台車や分散式冷房装置、シングルアーム式パンタグラフの向き等、他の系列には無い独特の特徴を持つ系列となっています。
 車体デザインは社員から募ったもので、アイボリーホワイトをベースにコーポレートカラーのグラデーションを配したデザインに変更しました。青、緑、青のグラデーションは30000系や40000系では横方向のストライプでしたが、8000系では「永遠」、「発展」、「繁栄」を意味する市松模様にアレンジされています。

8103編成

9000系
 池袋線における4ドア車による10両編成化を進める為に平成5年に登場した通勤形電車です。西武所沢車両工場で製作した最後の新造車であり、西武鉄道の通勤形車輛で最後に製作された「黄色い電車」として知られています。
 車体は新2000系とほぼ同じですが、接客設備は当時の最新鋭である6000系相当としています。一方で、足廻りは旧101系からの廃車発生品が流用され、抵抗制御車として登場しました。新2000系とは外観の違いでは、前面の手すりが黒色で、電気連結器が無い。側面の種別、行先表示が分離しています。
 機器類は車体は新造でしたが、冷房装置や補助電源装置(SIV装置)等を除いて、主要な電装品は旧101系であった事から、今後のメンテナンス等の問題を考え、平成15年から平成19年にかけて全編成をVVVFインバータ制御方式に変更しました。これらの部品は20000系等との共通化が図られた部品が使用されています。
 池袋線を中心に活躍していましたが、多摩湖線へのワンマン運転改造を行い転用が決まり、後継車輛の登場も相まって撤退しました。平成29年より廃車が始まり、多摩湖線へ転用される編成は中間車6両を外し、4両編成へ短縮しています。現在はこの4両編成になった5編成が活躍しています。

スカートの開口部が大きい1次車の9101編成 西武所沢車両工場で最後の車輛となる9108編成

●特別塗装
・RED LUCKY TRAIN

 9103編成を使用したもので、平成26年から令和2年まで運行されていました。「幸運の赤い電車」として京浜急行電鉄と同じ紅白の塗装を施したもの。京浜急行電鉄で「しあわせの黄色い電車」(KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN)として新1000形が平成26年に運行を始めましたが、「西武鉄道の車輛に似ている」という声を受けて、コラボレーション企画となったものです。
 運行終了後にワンマン運転化改造を行い、赤色一色の塗装(乗降扉、前面飾り帯はステンレスに復元)となっています。

RED LUCKY TRAIN時代 ワンマン化改造後

・二代目 「L-Train」
 9108編成を使用したもので、平成28年から平成31年まで運行されていました。初代となる3000系を用いた「L-Train」が平成22年から平成25年まで運行され、ファンの声が寄せられ、これに応える形で復活しました。
 車体色を埼玉西武ライオンズの球団色である「レジェンドブルー」に変更し、球団ロゴをラッピングしたものです。運転終了後にワンマン運転化改造が行われ、レジェンドブルー一色になっています。

「L-Train」時代 ワンマン化改造後

9000系の形式を見る

20000系
 老朽化の進む旧101系の置換えを目的に平成12年に登場した通勤形電車です。「シンプル&クリーン」をコンセプトに設計されています。編成は10両編成(0番代)と8両編成(50番代)の2種類があり、SIV装置の容量が異なる違いはありますが、この他は同一となっています。形式の附番ルールにより、8両編成にはモハ20500形、サハ20600形が無く、50番代も存在していません。
 車体は6000系6050番代と同じアルミ合金製ですが、ダブルスキン構造の大型形材をFSW(摩擦攪拌接合)工法によって製作する、後に日立製作所の商品である「A-train」に近い設計が特徴で、内装も各部をモジュール化する事で工数削減、低コスト化を実現しています。ダブルスキン構造の採用により、従来車と比較して騒音や振動の低減が図られています。前面部は地下鉄乗入れ運用が無い為、非貫通構造とし、普通鋼製でボルト締結により車体構体と固定されています。車体色は6000系に次ぐ、無塗装車体に青色(エレガントブルー)と白色の帯を配したものとしています。
 車内はダブルスキン構体にあるレールにモジュール化した内装材をボルト締結し、固定する方法が採用されており、内張りの化粧板は白系、床敷物は灰色の濃淡、天井部は骨組みを省略し、軽量化を図る目的から複合材料が用いられています。座席はロングシートで掛け幅を拡大しています。1~5次車までありますが、外観の違いは少なく、車内の改良による違いが大きい(スタンションポールや優先席の改善等)のが特徴です。
 制御装置はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式、ブレーキ方式は1~3次車までは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式で、4次車以降は全電気ブレーキに変更。この他に保安ブレーキ、圧着ブレーキ(耐雪ブレーキ)を備えています。
 行先表示器は3色LED式でしたが、更新工事により現在はフルカラーLED式に変更されています。

20107編成(0番代) 20158編成(50番代)

20000系の形式を見る

30000系
 池袋線、新宿線系統で運用される101系、301系の置換えを目的に平成20年に登場した通勤形電車です。愛称は「スマイルトレイン(Smile Train)」と命名されています。内外装のデザインを「たまご」をモチーフにしており、外観は「生みたてのたまごのように優しく、やわらかなふくらみ」を、内装は「温かみのあるやさしい空間」をイメージしたものとしています。
 西武鉄道の通勤形電車では初めてとなる拡幅車体を採用した他、車内案内表示装置に初めて液晶ディスプレイを採用する等、数多くの新機軸を盛り込んだ車輛となっています。製作は日立製作所で、同社の商品である「A-train」の標準的な仕様である、FSW(摩擦攪拌接合)により組み立てるダブルスキン構造のアルミ合金製構体、モジュール構造の内装を組み合わせたもので、構体の主要部材は廃車時のリサイクルを考え、単一合金で統一した「モノアロイ化」が行われており、先頭車の先頭部も含めてアルミ合金製となっている特徴があります。
 車体は拡幅車体である事から、裾絞りのある形状となりました。自社線内のみの運用である事から非貫通構造です。先頭部はたまごのように丸みのあるデザインとし、各部品の切欠きと合わせて笑顔のような印象を受けるデザインになっています。車体色はアルミ合金の地肌色を活かした無塗装ですが、帯色は新しいブランドから―である青色と緑色のグラデーション帯を使い、「都市と自然あふれる町並みを結ぶ車輛」を表しています。
 車内はロングシートで片持ち式のバケットシートが採用されています。壁面は白色系の化粧板が採用され、清潔感あるものとなっている他、中央部がドーム状となっており、開放感のある車内となっています。ユニバーサルデザインが施されていますが、その中の袖仕切り、つり革等にたまごのデザインが見られます。サービス面では行先表示器に西武鉄道初となるフルカラーLED式表示器が採用された他、旅客案内表示にLCD式表示器(S-TVS(Seibu Train Vision System):西武スマイルビジョン)が採用されました。
 制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式で、S-TIM(Seibu-Train Integrated Management system):西武列車情報制御装置)という列車情報管理装置が採用されています。このシステムは力行、制動時に発生する加減速力をユニット単位ではなく、編成一括で制御するもので、消費電力低減、乗心地向上を図るものです。
 形式の附番ルールは6000系で採用されたものに準じていますが、万の位が系列称号で「3」、千の位を編成両数を表し、2両編成は「2」、8両編成は「8」、10両編成は「0」、百の位は号車(10両目は「0」)を表し、下2桁が製造順序を表しています。
 製造年次により1~10次車まで分けられますが、違いが幾つかあります。

38103編成(8両編成)

●1~3次車
 38101~38107編成、32101~32103編成で、2次車以降は前面のグラデーションが変更されています。

32106編成(2両編成) 38109編成(8両編成)

●4~6次車
 38108~38114編成、32104~32106編成で、側面帯にある「SEIBU」のロゴが無くなっています。

30101編成(10両編成)

●7次車
 初の10両編成となる30101、30102編成が登場。8両編成では38115編成で、室内灯のLED化、荷棚のガラス化、走行機器が変更となっています。

38118編成(8両編成)

●8~10次車
 38103~38106編成、38116~38118編成で、前面のコーポレートロゴが無くなり、側面にあるコーポレートロゴの社名表記が「SEIBU」から「西武鉄道」に変更されています。

40000系
 池袋線系統と東京メトロ有楽町線、副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線を直通する有料座席指定列車「S-TRAIN」運転開始に伴い、平成29年に登場しました。翌年からは新宿線、拝島線の「拝島ライナー」でも運転を始めました。
 本系列の登場により9000系、2000系の置換えも行われています。なお、日本の鉄道事業者で電車形式に「40000系(40000形)」を初採用しています。
 車体は30000系と同じ、アルミニウム合金製ダブルスキン構造、モノアロイ化と日立製作所「A-train」に近い構造ですが、川崎重工業製である為、車体断面等が異なっています。先頭形状は30000系よりも丸みを強くした球面上とし、柔らかいイメージの先進的なデザインとしています。車体色は無塗装車体に、コーポレートカラーの青色と緑色をグラデーションを配したもので30000系と同じですが、デザインが大幅にアレンジされています。
 車内で最大の特徴はクハ40000形式、クハ48800形式にある「
パートナーゾーン」の設置で、車いす、ベビーカー、大荷物を持った利用者の配慮したもので、中心部に中腰いすが設置され、その周辺に車いすやベビーカーを余裕持っておく事が出来る場所となっています。この部分の側面窓は特大の固定窓となっています。
 編成は「S-TRAIN」用の西武鉄道初のロング・クロスシートの転換シート(デュアルシート)を備えた0番代とロングシートの通勤仕様の50番代の2種類があります。後者の50番代では10両編成のみでしたが、令和7年に8両編成(48000番代)が加わりました。
 0番代は有料座席指定列車として使用する際はクロスシート(車端部はロングシート)として使用。クロスシートは進行方向に向き、任意で向い合わせも可能ですが、ロングシートには出来ません。4号車にトイレが設置されています。一方、通勤形の50番代、48000番代はロングシートで30000系に準じた内装とし、座席の形状や仕切り等が異なります。また、車椅子スペース、優先席の見直し、拡充が図られているのが特徴です。

40101編成 40152編成

8500系
 山口線は西武園遊園地(現:西武園ゆうえんち)の遊戯施設「おとぎ線」として昭和25年に軽便鉄道規格(762mm)の非電化路線として開業したのが始まり。その後、鉄道路線となり、山口線と改称しました。当時は起終点駅である遊園地前駅(多摩湖駅に隣接)、ユネスコ村駅(狭山湖駅(現:西武球場前駅)から徒歩)ともに他の路線に接続しておらず、遊戯施設の一つと見られていました。
 運行開始から30年程が経過し、施設、車輛の老朽化が問題になりつつあり、対応を考える時期を迎えていました。昭和54年にユネスコ村に隣接して西武ライオンズ球場(現:ベルーナドーム)が西武ライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ)の本拠地球場として開業。多摩湖線方面から西武球場へのアクセスの改善が必要な為、更新時期を迎えた山口線をアクセス路線へと再整備する事にしました。更新は既存路線に見られる鉄輪鉄軌条方式ではなく、新交通システムの一つであるAGT(Automated Guideway Transit:自動案内軌条式旅客輸送システム)方式を採用し、昭和60年に開業しました。この開業に合わせて登場したのが8500系になります。本系列は大手私鉄が保有する唯一のAGT車輛で、「レオライナー(LEO LINER)」の愛称が付けられています。形式の「8500」は登場年が1985年である事、1両の長さが8500mmである事に由来しています。
 外観は直線を活かした現代的かつ軽快なデザインとし、中央部に乗降扉を配置しています。塗装色はアイボリーホワイトをベースに、側面に青、赤、緑色の帯を配した「ライオンズカラー」を初めて採用しました。
 車内は小型な車体と狭い空間の中で、快適な居住性、ライオンズカラーを使った豪華な雰囲気としており、壁面、天井部はジンク・ホワイトのチェック模様、冷風、ラインデリア吹出し口をライオンズグリーン、座席をライオンズブルー、床を赤色とし、座席はオールクロスシートとしています。(後に優先席が設定され、灰緑色としています。)
 制御方式はAGT車輛では初のVVVFインバータ制御方式を採用。ブレーキ制御方式も回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式が採用されています。
 4両編成3本が活躍していますが、令和7年より後継車輛に置き換えられる予定となっています。

V3編成

現在の車輛(特急形電車)

10000系
 西武鉄道初の特急形車輛である5000系の老朽化に伴う置換え、新宿線に新設される特急「小江戸」号に使用する車輛として平成5年に登場した特急形車輛です。愛称は「ニューレッドアロー(New Red Arrow:NRA)」です。
 1~4次車までは軽量形鋼を使用した20m級車体で「ゆとりとやすらぎの空間」をコンセプトに設計され、5000系と同じ裾絞り車体となっています。塗装は濃さの異なる3色の灰色をベースに、客室窓下部に「レッドアロー」の赤色の帯を配しています。乗降扉は折戸ではなく、引戸が採用され、1号車のみ2ヶ所、それ以外の車輛は1ヶ所に設置しています。
 車内は2+2列配置のフリーストップ式リクライニングシートが採用され、背面にテーブルと網の物入れ、座席下にバー式のフットレストがあります。シートピッチは大きく拡大されており、1両あたりの定員数は減りましたが、5000系は6両編成に対し、本系列では7両編成とした為、定員数は僅かながら増えています。
 機器類はメンテナンス面や経費の面等から、101系、新501系、5000系の機器類が流用されています。この為、制御方式は直並列抵抗制御、弱め界磁制御、ブレーキ方式は発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-D)(抑速ブレーキ付き)となっています。補助電源装置はSIV装置としています。
 平成15年に最終増備車となる5次車(10112編成)が登場。大幅な設計変更が実施されており、在来車とは一線を画す存在となっています。
 車体は1~4次車に準じたものとしていますが、前面、側面の行先表示器は3色LED式に変更、通過標識灯が廃止されています。制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御方式に変更され、運転最高速度向上等が図られています。機器類は20000系と共通化されており、ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式に変更。抑速ブレーキは省略されています。この変更により、パンタグラフも編成中3基から2基になっており、外観の違いが生まれています。
 車内も異なり、敷物は青系へ変更。座席も一新され、ドリンクホルダーが付いた他、メンテナンス作業のし易さも図られています。
 新宿線で特急「小江戸」で登場し、翌年より池袋線に登場。平成7年に全ての列車が10000系となりました。後継形式の001系(Laview®:ラビュー)の登場により、池袋線から令和2年に定期運用終了。新宿線で活躍を続けています。尚、余剰車が発生した事により、他社への譲渡、廃車が発生しています。

ひし形パンタグラフ時代 シングルアームパンタグラフ変更後

平成17年頃からパンタグラフが換装され、外観が変わっています。

10112編成

本系列の最終増備車(5次車)となる10112編成。表示器のLEDやパンタグラフの数が他とは異なっています。

●レッドアロークラシック
 平成23年から令和3年の約10年間運行されました。編成は10105編成で、初代レッドアローである5000系の塗装に変更し、先頭車の前面窓下には5000系の特徴であるステンレスの飾り板をラッピングで再現しました。

10105編成

10000系の形式を見る

001系「Laview®」
 10000系「ニューレッドアロー」の老朽化による後継車輛として、また西武鉄道の次世代車輛のフラッグシップトレインとして令和元年に登場した特急形車輛です。「いままでに見たことのない車両」をコンセプトに設計されており、形式である「001系」は「次の100年に向けた出発点である車両」を表現する為、「100年」の逆さを表す「001」としたものです。また「00」には「∞:無限」の可能性という意味も込められました。愛称の「Laview®」は贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間、矢(arrow)のような速達性、大きな窓から移りゆく眺望(view)が由来となっています。形式の附番ルールは系列の「001」、ハイフンを入れ、編成順序をアルファベットで表現(第1編成はA、第2編成はB・・・)、号車を数字で付けています。
 車体は日立製作所の「A-train」シリーズで、アルミニウム合金製となっています。シルバーメタリックの車体は地肌色ではなく、自動車のアルミホイール等に使われている塗料を塗装したものです。形状は類を見ない曲面を多用したもので、球体のような前頭部のインパクトは大きく、側面の客室窓も前例のないもので、高さ1350mm、幅1580mmの大型ガラスが設置されており、これもインパクトが大きいものとなっています。
 車内はリビングのようなくつろぎのある空間とし、座席、エントランスは西武電車のイメージカラーである黄色が用いられ、外観からも目立ちます。客室は白色をベースに床面は茶色のタイルカーペットを強いており、大型の窓ガラスは床面に近くまで拡大している為、視界に壁が無いような車窓となります。2人掛けの座席は1人ずつ独立した形で、体を包み込むソファのようなデザインとなっています。
 8両編成7本(A~G編成)が製作され、池袋線系統の特急列車を中心に活躍をしています。

独特のフォルムが特徴の001系

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過去の車輛

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